【特定疾病保険やガン保険はムダ?】
「医療保険があったら特定疾病保険やガン保険ってムダですよね?どうして医療保険があるのに、そういう保険にも入ったほうがいいんですか?」
「親がガンなので、自分もガン保険に入っておきたいんですが、医療保険に入ってガン保険にも入ったらムダになりませんか?」
「心臓発作で突然倒れたら、救急車で公立病院行きですよね?公立って無料ですよね?だったら特定疾病保険で心臓発作がカバーされてもムダじゃないですか?」
よく受けるこういうご質問。ほんとうにそんなにムダな保険があるのでしょうか?
【医療保険とはまったく別の保険】
まず最初にはっきりさせておかなくてはいけないのが、「医療保険と特定疾病保険やガン保険はまったく別の保険」ということです。「どれぐらい別の保険」なのかというと、「医療保険と生命保険」ぐらいの違いです。
「えー!病気になっただけでまだ生きているのに生命保険?」
と驚かれるかもしれませんが、違いをよくみていきましょう。
【医療保険は治療費をカバー】
医療保険の最大の目的は、公立病院のような順番待ちがない代わりに、国の補助が一切ない高額の私立病院での治療費をカバーするための保険です。ガン治療など高額治療を対象とする医療保険に入っていれば、治療費に対して保険がおります。重要なのは、この保険が対象にするのは診察料、検査、手術・入院代など治療に関するもののみです。
【治療で働けなくなったら?】
しかし、大病の治療で働けなくなったり、仕事を減らさざるをえず、収入が減ってしまったらどうなるでしょう。十分な蓄えがあり、「1、2年働かなくても大丈夫」という場合はいいですが、貯金でやっていける期間が1、2ヶ月だったら?平均的なキーウィの場合、収入なしで暮らしていける期間は2週間と算出されています。こうした状況をカバーするのが、特定疾病保険やガンの場合はガン保険です。
【特定疾病保険やガン保険は療養中の必要資金をカバー】
特定疾病保険とはNZではトラウマ保険と呼ばれ、三大疾病の「ガン」、「心筋梗塞」など心臓疾患、「脳梗塞」など脳疾患をはじめ、約40種類(保険によって異なります)の大きな病気にかかったときに、事前に設定しておいた一時金がまとめて支払われる保険です。NZのガン保険は、特定疾病保険のガン保障だけを切り離した保険だとお考えください。約40種類の病気がガンだけに限定されたもので、その分、保険料が割安になります。
【通常は年収の1、2年分を保障】
特定疾病保険で一番多い保険金設定額は年収の1、2年分です。なぜかというと、ガン治療でもわかるように三大疾病の大半が治療が成功さえすれば、1、2年で通常の生活に戻り、職場復帰できることがほとんどだからです。日本人の場合、療養中や病後に日本の親元に一時帰国する人もいます。この間の生活費や渡航費も特定疾病保険があればカバーすることができます。保険金の使い道はご加入者の自由です。
お亡くなりになったら生命保険、大病をしたらトラウマ保険、どちらもまとまった一時金がおりるという意味で非常に似た保険なのです。
この保険に関しては前にも取り上げているのでリンク先をご参考下さい。
第243回 病気で働けなくなったときの特定疾病保険
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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