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第243回  病気で働けなくなったときの特定疾病保険 

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【ご存知ですか?特定疾病保険】
 前回「病気で働けなくなったらどうなる?」というタイトルで、大病で療養中に国からもらえる生活保護、求職者(ジョブシーカー)手当が、既婚者で週171ドルであることを取り上げました。手当は名前の通り仕事に復帰することを前提にしていて、受給には条件が付き、病気の程度や子どもの有無は考慮されません。ガンなど大病が発覚したときに、「これだけではやっていけない!」という人がほとんどではないでしょうか。
 
【大病したときの保険】
 そこで働き盛りにご紹介したいのがトラウマ保険と呼ばれている、特定疾病保険です。これは三大疾病と呼ばれる「ガン」、「心筋梗塞」など心臓疾患、「脳梗塞」など脳疾患を始め、約40種類の大きな病気にかかったときに、事前に設定しておいた一時金がまとめて支払われる保険です。設定金額が10万ドルの人にガンが見つかり、一定以上に進んだガンであれば満額の10万ドルが支払われます。程度が軽ければ症状に応じて20%、25%と基準に合わせた比率で一時金が支払われます。
 
【治療に専念するために】
 病気で一番不安なときに、まとまった保険金がおりるのは大変心強いものです。特定疾病保険で金銭的不安を解消できれば、ご本人もご家族も治療に専念できることでしょう。まとまった一時金があれば生活費や治療費といった出費はもちろん、住宅ローンの支払いも継続でき、引越しや家の売却といった事態を避けることができます。
 
【圧倒的に多い三大疾病、特にガン】
 NZの保険会社11社による特定疾病保険の疾病別請求比率は以下のとおりです。
男性:ガン45%、心筋梗塞など心臓疾患30%、「脳梗塞」など脳疾患4%、その他21%
女性:ガン85%、心筋梗塞など心臓疾患4%、「脳梗塞」など脳疾患3%、その他8%
 これを見てどう思われますか?男性は「ガン」「心臓」「その他」にばらけ、女性は圧倒的に「ガン」、それも乳がんなど婦人科系ガンに集中しています。
 
【ガンは働きながらの療養が多い】
 男女とも最も請求の多いガンの場合、ほとんどの患者が化学療法を受けます。化学療法は通常3週間ごとに最大10ヶ月のプログラムを組むので、1年間に12回ぐらいが治療として限界になります。体力的にきつければそこまで受けられない場合も多いです。そのため、ほとんどの人が仕事をしながら治療を受けます。病状によって仕事を減らしたとしても、治療後の完全復帰を目指して辞職しないケースがほとんどです。
 
【一番多い保険金設定額は年収の1、2年分】
 特定疾病保険で一番多い保険金設定額は年収の1、2年分です。なぜ1、2年分なのかというと、上述のガン治療でもわかるように三大疾病の治療の大半が1、2年未満で、治療が成功しさえすれば、その後は通常の生活が送れ、職場に完全復帰できるケースがほとんどだからです。特定疾病保険は「治療も!復帰も!」という希望を支える保険ともいえます。
 
 この保険に関しては前にも取り上げているのでリンク先をご参考下さい。
第212回  働き盛りに欠かせない保険
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=212
 
 ガン治療の様子に関しては過去のコラムでも触れたのでご参考下さい。
第205回  28歳のガン生還者
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=205

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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