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第244回  大病も死亡もどちらも保険でカバーしたい 

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【大病しても生活保護だけでは心配】
 2回つづけて「病気で働けなくなったら」というテーマでお話してきました。大病で働けなくなっても療養中に国からもらえる生活保護は、病状には関係なく既婚者で週171ドル、25歳以上の単身者で週206ドルです。これだけで生活していくのは、正直厳しいでしょう。さらに前回お話したように、大病の中でも最大の比率を占めるガンの場合、働きながら治療をしていく人がほとんどなので、生活保護の対象にならないケースが大半を占めるでしょう。
 
【特定疾病保険は働き盛りの強い見方】
「病気になっても可能な限り働きたい。仕事を辞めたくないし、治ったらすぐに職場復帰して元の生活に戻りたい」という働き盛りの強い味方が、トラウマ保険と呼ばれている特定疾病保険です。保険会社が定めた所定の要件を満たしていれば、ガン、脳梗塞、心筋梗塞など保険が定める約40種類の病気(種類は保険会社によります)にかかったとき、保険金が一括して支払われます。これは単体の保険としても加入できますが、生命保険にリンクさせることもできます。具体例を見てみましょう。
 
【生命保険と特定疾病保険をリンクさせる例】
 生命保険に25万ドル入ろうと検討していた人が特定疾病保険も追加した例をみてみましょう。リンクとは特約のようなものだとお考えください。
■加入者:男性、年齢40歳、非喫煙、既往症なし
■加入額:生命保険25万ドルのうち、5万ドル分を特定疾病保険とリンク
■月額保険料:A社43ドル   B社40ドル
A社の特徴:心筋梗塞に対する定義が広い。子供に対し1万ドル分の特定疾病保険を無料で提供。
B社の特徴:契約一年目は保険料が10%割引。
このように、保険会社によって多少違いがあります。
 
【保険金請求の例】
 加入者が以下のような事態になったら保険金が請求できます。
■大病にかかった場合:病状が保険が定める所定条件以上に進んでいて、病気が発覚してから14日以上生存していた場合、5万ドルが一括して支払われます。
(病状が軽い場合は5万ドルの20%、25%と一定比率が支払われます) 
 
■大病の後お亡くなりになった場合:特定疾病保険分としてすでに5万ドルが支払われているので、残りの20万ドルが生命保険として支払われます
 
■お亡くなりになった場合:病気、交通事故など理由を問わず、加入者がお亡くなりになった場合は25万ドルが死亡保障、いわゆる生命保険として支払われます。
 
【死亡より確率が高い大病】
 周りをみてもおわかりのように、働き盛りの世代が突然お亡くなりになるよりも、予想外の病気に見舞われることのほうがはるかに多いものです。私の例でも、この仕事を始めて以来、生命保険のご請求を受けたことは今のところありませんが、特定疾病保険のご請求は何度も受けています。加入者数が生命保険のほうがずっと多いことを考えると、特定疾病保険の請求の確率が高いのを実感します。年代も30代、40代とまさに働き盛りで、男女を問いません。
 
【特定疾病保険請求の平均年齢は51歳】
 ある保険会社の2011年の統計によると、特定疾病保険への保険金請求の平均年齢は51歳で、男性は43歳頃から請求発生率が大きなカーブを描いて上昇し、女性は35歳頃から47歳頃までは男性を上回る請求発生率でした。こうした年齢は、この仕事をしていて非常にピンと来るものです。まだ若く、お子さんがいて、住宅ローンがあって、元気に仕事をしていた人が突然病に倒れるというのは、みなさんにはピンと来ない話かもしれませんが、「統計は嘘をつかない」というのは、ことわざどおりです。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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