先日、保険業界のセミナーがありました。クライストチャーチ地震の話に集中するのかと思っていたら、東北・関東地方を襲った巨大地震と巨大津波も大きく取り上げられました。
ゲストスピーカーは「日本人の生命保険加入率は世界的にみても高く、今回の犠牲者数からみて、生命保険の再保険料が大幅に値上がりするのは避けられない」と断言していました。
再保険の話はこのコラムでもよく取り上げていますが「保険会社の保険」のことで、保険会社は再保険を利用して引き受けた保険のリスクを分散しています。逆に言えば、再保険なくしては今の保険料で保険を引き受けることはできません。
水害や地震など大規模な自然災害の後は、保険会社にも再保険会社にも巨額の保険金(もしくは再保険金)の支払いが生じます。今回の日本の地震は被害規模が桁違いですから、支払われる保険金も桁違いで、大げさではなく世界の保険業界を巻き込む規模になります。
そこで今回は、時間の問題で値上がりするであろう生命保険への対応を考えてみましょう。値上げのタイミングは国や保険会社によってばらつきがあるので、「○ヵ月後から」と予想することはできません。なので早め早めに検討を始めることが大切になってきます。
すでに加入している場合でもこれから加入する場合でも、担当者とよく相談の上、値上げ後の保険料や年齢による保険料のシュミレーションを行い、どれぐらいの負担増が見込まれるのかある程度のイメージを描いておくことは無駄にならないと思います。
予想される値上げを回避する方法としては、保険期間の長い保険に加入することです。10年満了型保険や65歳満了型保険であれば、10年間もしくは65歳まで保険料が据え置かれます。
加入当初は一般的な1年満了型(年齢に合わせて毎年保険料が値上がりしていく保険)よりも若干割高に感じられるでしょうが、加入期間が長くなるとその差が逆転し、保険期間の長い保険の方が割安になります。
この辺はすでにお話しているのでリンクをご参考ください。
第110回 保険期間の長い生命保険で値上げに対抗-生命保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=110
「住宅保険の返済が終わるまではもっと掛け金が欲しい」という場合は、生命保険を2つに分けてみることも一案です。生涯を通じて必要な「基本保障」と、ローンの返済などその時々で必要とする「ライフステージ保障」に分け、「基本保障」を65歳満了型などにし、「ライフステージ保障」は1年満了型にします。
これについてもすでに取り上げたことがあるので、リンクをご参考ください。
第114回 基本保障とライフステージ保障-生命保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=114
(注;リンク内で示した保険料は執筆当時のものです)
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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