今回は損害保険を地震を例に別の面から考えてみます。
【免責】
損害保険には必ずある免責(自己負担)について考えてみましょう。地震にあい、レンガの煙突が崩れて寝室の屋根の一部が壊れたとします。家具やテレビが壊れて使い物にならなくなりました。レンガはドライブウェイにも落ち、停めてあった車の窓ガラスが割れ、車体にもキズが付いたとします。
煙突の倒壊は9月のカンタベリー地震でも多く見られた現象で、家には大きな問題がなかったのに、レンガがあちこちに飛散して被害が出た例はたくさんあります。例のような場合、住宅保険、家財保険、自動車保険(フルカバーのみ)を1社にまとめていれば、免責は3つの保険のうち最も高いものを払うだけで済みます。(だいたい250~300ドル)
しかし、自動車はA社、住宅と家財はB社と分けていると、それぞれの保険会社に対して免責を支払わなくてはならなくなります。また、加入を1社にまとめれば、3種類の保険すべてが割り引きの対象になるので、保険料がずっとお得になります。
損害保険を1社にまとめる利点は以下のリンクもご参考ください。
第99回 損害保険を1社にまとめる利点-自動車、家財、住宅保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=99
【家が住めなくなったときの宿泊代】
震災で自宅に被害が出て住めなくなった場合どうなるのか。住宅保険や家財保険では自然災害や火事で自宅に住めなくなった場合、いずれかの保険、もしくは両方で宿泊代を補償します。具体例で言うと、
(1)住宅保険、家財保険それぞれで宿泊代を補償
(2)家財保険で宿泊代を補償
という二つのタイプがあります。
(1)は一見手厚い補償でいいように見えますが、住宅、家財保険の両方で宿泊代の補償費用を払っているので、保険料の設定が割高になっている可能性があります。両方の保険に加入していても、いざという時に宿泊代を補償してもらうのは、どちらか一つの保険でいいはずです。
(2)は「家の問題は家財保険でカバー?」とピンと来ないかもしれませんが、これがけっこう有用なのです。例えば賃貸物件に入っているテナントの場合、地震で家が壊れても(火事・水害などの場合も同様)大家は宿泊代を補償してくれません。けれどこのタイプの家財保険に入っていれば、保険で宿泊代をカバーすることができます。
また、賃貸物件の大家の場合、賃貸物件への住宅保険が宿泊代をカバーしても、自宅ではないので使いようがありません。その分の保険料の掛け金が無駄になってしまうので、住宅保険が宿泊代をカバーしない方が保険料を抑えられることになります。
いずれも細かい点ではありますが、保険料や免責を抑えるヒントになればと思います。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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