【よくわからない医療保険】
事故を起こして車の修理が必要なときの自動車保険、お亡くなりになったときにまとまった保険金がおりる生命保険。
「こういう保険は自分でもわかるんですけど、よくわからないのが医療保険。どんな症状や病気が対象になるのか、請求したらいくら出るのか、どの保険会社がいいのか、どれでも同じなのか。パンフレットを読んだりネットを見てもなんだかさっぱりわからないんです。」
【少しでもわかるように】
こういう質問はほんとうに良く受けます。「よくわからない」と思われてしまう疑問が少しでも解消するように、簡単にお答えしてみましょう。
①どんな症状や病気が対象になるのか?
基本的に既往症(保険加入以前に発症していた、治療済みのものも含めた症状や病気)は対象になりません。また、以前の記事でもお話したように、保険料が安い医療保険によってはいわゆる一般的な病気(脳や内臓全て)を対象にしないものもあります。(詳しくはリンクご参照) 症状や病気を問わない保険に入れば、既往症以外は全て対象です。
第280回 保険料が安い医療保険にご注意
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=280
②請求したらいくら出るのか?
これは加入条件によります。まず、自己負担のある保険かどうか。自己負担がある場合、(1)自己負担が年間500ドルや1000ドルなど固定した金額か、(2)1~2割と一定の比率で負担するのか、に分かれます。
(1)の場合は請求額が事前に定められた治療費を超えない限り、請求額が3000ドルでも3万ドルでも、1年間に自己負担するのは500ドルや1000ドルのみです。(2)の場合で2割負担であれば、請求額が3000ドルなら600ドル、3万ドルなら6000ドルが自己負担になります。当然ですがこうした一定の比率で自己負担がある保険の保険料は安いです。ただし、大病の時ほど大変な自己負担になり、結果的に自己負担が払えず、保険が使えないという場合もあるので注意が必要です。
自己負担がない保険であれば請求額が全額支払われますが、その分、保険料が割増になります。
③どの保険会社がいいのか?
どの保険会社がいいのかというのは加入者次第でしょう。医療保険の金額は加入者の年齢、性別、喫煙の有無という条件で決まります。
(1)「同じ条件ならA社が若干安いけれど、B社の方がガンの保障設定額が高い」
(2)「A社は既往症の条件を見直さないけれど、B社は症状や病気によって見直す」
(3)「A社は指定病院があるが、B社はないのでどこの専門医にかかってもいい」
既往症がなく、特にガン家系ではなく、指定病院もそう遠くなく、どの専門医でもかまわないという人であれば、保険料の安いA社の方がいいかもしれません。しかし、いざというときにガン保障が手厚い方がいい(ガンは医療保険の請求の中でも最も高額になる病気です)、既往症があるので見直してもらえる方がいいといった場合はB社の方がいいでしょう。
保険屋の立場から言えば、保険会社には良し悪しはなく、プランに良し悪しがあるのです。どの保険会社もいろいろなプランを出しているので、じっくり説明を聞き、自分にあったものを選ぶことをお勧めします。保険料の安さにつられて飛びついてしまい、あとで病気になったときに保険の対象にならないとか、自己負担分が払えずに保険が使えないようでは安くても高いものについてしまいます。
次回はもう一つ、本当に良く受ける質問を取り上げてみます。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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