【高橋さんの医療保険は何ですか？】
　前回、「次回はもう一つ、本当に良く受ける質問を取り上げてみます」と締めくくりましたが、その質問とは、
「高橋さんの医療保険は何ですか？」
です。「保険屋が入っている保険なら、まちがいないだろう」という読みのようで、皆さん、目の付け所がなかなか鋭いですね。私の保険が何かの前に、医療保険選びの際にどこに注目すべきか、具体例でお話しましょう。
 
【男女で保険料が同じ保険会社と異なる保険会社】
　私が取り扱っている2社を、A社、B社として比べてみましょう。前回のコラムでも少し触れましたが、保険会社によって同じタイプのプランを選んでも、条件や保険料が違ってきます。一般的に医療保険の保険料は加入者の年齢、性別、喫煙の有無で決まります。50代前半ぐらいまでは女性の保険料の方が高めに設定されていることが多いです。この年代までは女性の方が保険金請求が多いことを反映しているからです。しかし、A社は性別で保険料を分けていないため、条件が同じであれば男女同額になります。
 
【夫婦なら？独身なら？】
「ということは、夫婦でも保険会社を別々にして、奥さんは男女で保険料が同じA社、ご主人は男性の保険料が安く設定されているB社に入ればいい？」
ということになりそうですが、夫婦で一緒に加入したときの割引を適用するとB社の方がお得になります。
　「それなら、独身女性が一人で加入するならA社。独身男性ならB社？」
となりそうですが、なかなかそう簡単にもいきません。他にもいろいろ条件があります。
 
【既往症を見直す保険会社と見直さない保険会社】
　条件の中でも、新規加入しようとする人が一番気になるのが既往症です。既往症とは保険加入以前に発症していた、治療済みのものも含めた症状や病気全般を指します。子供の頃の病気やとっくに完治している症状も既往症になります。
　A社はその全てを保険の対象にしませんが、B社は症状や病気によっては、一定期間の経過観察期間を設け、その間に再発せず、医者から完治している、または数値が正常に戻っていることを証明してもらえれば、既往症からはずす場合があります。これは症状が軽いものや、既に完治している病気がある人には耳寄りな条件ではないでしょうか。
 
【保障上限額は？】
　これもまた気になる、保険の保障上限額はどうでしょう？
「ガンのような大病になったらいくらまで保障されますか？」
というのも、よく聞かれる質問です。その辺を2社で比べてみましょう。
A社＝一つの手術およびそれに関連する費用として一回10万ドルまで
　　　手術を伴わない入院の場合は、病気の数に関係なく年間6万ドルまで
　　　ガンに対しては年間6万ドルまで
B社＝病気の数に関係なく、手術を伴う場合は年間30万ドルまで
　　　病気の数に関係なく、手術を伴わない入院の場合は年間20万ドルまで
　　　ガンに対しては入院治療の中に含めて年間20万ドルまで
　こうして比べてみると、同じような保険でも保障上限がずい分違うものです。B社の場合、一つの病気でも手術を伴う場合は年間最大30万ドルまでカバーされるので相当心強いことでしょう。どちらの保険も加入を続けている限り、これらの条件が毎年保障されるので、ガンのような長い闘病を強いられる場合もずっと保障が続きます。
 
【私の保険は？】
　さらにA社は指定病院がありますが、B社はないのでどこの専門医にかかってもかまいません。｢心臓だったらぜひこの先生に｣とか、「乳がんだったらぜひこの病院で」という希望がある場合、B社なら加入者が自由に決めることができます。他にも挙げていったら、「たった2社でもこんなに違う！」というほど違いがあるので、この辺でやめておきますが、
 
　さあ、私が入っているのがどちらか、賢明な皆さんならもうおわかりでしょう！