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第85回  キウイセーバー:マイホーム購入の近道 

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キウイセーバーの話も今回で8回目です。だいぶキウイセーバー通になっていただけたでしょうか。前回までの話は「今ある特典を生かせ!」でした。
(その理由と内容の復習は下のリンクからどうぞ)
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=84
 
 今回は特典の中でも住宅購入の特典を見てみましょう。「いつかはNZでマイホームを」と思っている方は必見です。
 
 まず、キウイセーバーを利用して購入できる家の主な条件を確認しておきましょう。
1)本人が居住目的で購入するマイホームであること(賃貸物件の購入は不可)
2)初めて購入するマイホームであること(2軒目以降は対象外。条件を満たせば過去に購入していてもすでに売却していれば対象となる可能性あり)
3)ハウジング・ニュージーランドが定める地域ごとの上限金額以内の物件
 
主な特典としてはどんなものがあるのでしょうか。
1)積立期間が3年以上の場合、キウイセーバーの対象となる物件の購入時に国から3,000ドルの助成金が支給され、5年以上であれば5,000ドルが支給されます。(ただし利用は1回限りで、年間所得が国の定める上限以上の場合は対象外)
2)積立期間が3年以上の場合、それまで積み立ててきた金額(個人および企業の積立分のみで、国の拠出額(Tax credit)は含まない)を頭金に使うことができます。
 
これを具体的な数字で見てみましょう。
 
 ある共働きの夫婦がキウイセーバー加入丸5年後にマイホームの取得を決めたとします。単純に1人の毎週の拠出金を20ドルとすると積立額は企業分と合わせて年間2,080ドル、その2人分ですから年間に4,160ドルになります。その5年分となると2万800ドルです。(話を単純にするためにここでは想定される運用利回りと昇給分を考慮していません)
 
 それに加え、国からの助成金が夫婦それぞれに5,000ドルずつ計1万ドル支給されるので、頭金に使える金額はざっと3万ドルになります。もしも30万ドルの物件を購入するのであれば10%の頭金がキウイセーバーだけで用意できることになります。これだけでもずい分マイホーム購入が身近に感じられることでしょう。それに夫婦の貯金を足すことができれば、さらに購入の選択肢が広がり、話が現実的になってくると思います。
 
 頭金分を引き出しても国の拠出額は口座に残るので(上の夫婦の場合、1人年間1,040ドル)、マイホームを購入しながらも老後の備えが続くことになります。
 
 実はキウイセーバーを利用したマイホーム購入制度は、その対象が「積立開始後3年以降」なので制度自体が満2年しか経っていないため、今は対象となる人がいません。なので細かい条件については未確定の部分も多いです。(年内決定の見通し)ただし、早く加入しておけばその分対象となるタイミングを早めることができるので、「いつかはNZでマイホームを」と思っている方は、やはり早めのご加入が得策だと思います。
 
(以上は執筆時現在で発表されている特典を基に執筆したもので、特典が変更された場合はこの限りではありません。キウイセーバーを利用した住宅購入に関しては以下のリンクもご参照ください)
http://www.kiwisaver.govt.nz/benefits/benefits/#06

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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