キウイセーバーの話が長引いているので、別の話題で小休止します。
ここ最近、日本在住の方の保険加入を扱うことが増えました。理由はNZでの不動産投資です。この円高、この低金利、しかも住宅価格が下がってきているとあって、今まで機会をうかがっていた投資家の皆さんが動き出しているようです。
さて、「投資物件を買ってみたけれど、その後は?」という話を保険の面からしてみましょう。仲介している不動産業者からもアドバイスを受けていると思いますが、これから投資しようという方の参考にもなると思いますので、ポイントをまとめてみます。
まず、すぐ加入するのが望ましいのが住宅保険です。これは日本の火災保険に地震特約を付けたような保険で、自然災害(台風や地震)、人的災害(出火)、工事ミスではない偶発的な水漏れ(ほんとうにあった話ですが「ネズミに天井裏の水道管をかじられた」という場合も)、塀の落書きなど、ほとんどのケースで幅広くカバーします。
特に火災は半焼でも全焼でも被害が甚大なので、住宅保険の加入が欠かせません。賃貸物件の出火に関しては、すでにお話しているのでリンクをご参照ください。
第75回 賃貸物件の火事
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=75
NZは地震国で、局地的な集中豪雨による土砂崩れや冠水、庭の木が倒れて家屋の一部が破損したということも割りと頻繁に起きる国です。これらの場合は政府の「地震委員会」(EQC)から補償が受けられますが、EQCは住宅保険加入者が払い込んだ保険料をもとに運営されているため、補償は保険をかけた物件に限られます。(この話の詳細はリンクもご参照ください)
第8回 自宅が災害に遭ったら-住宅保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=8
住宅保険の加入で重要なのが床面積です(ガレージやデッキを含む)。たまに売り手から受け取った書類の床面積の記載が間違えていることもあるのでご注意ください。 例えば実際の床面積が250平米なのに、手違いや保険料を安くしようと200平米と申告して保険加入し、後に家が火事で全焼した場合どうなるでしょう。この家は20%の過小保険物件と見なされ、保険金も過小分を差し引いた80%しか出ません。つまり160平米分しか補償されないので、90平米分の立替費用は家主の持ち出しになります。この点は不動産業者や弁護士ともよく確認してみたください。(床面積に関してはリンクもご参照ください)
第56回 火災も自然災害も補償する住宅保険
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=56
また、空き家(保険上は60日以上誰も住んでいない状態を指します)には保険をかけることができないので、この点も注意が必要です。(居住していた物件が空き家になる場合は保険料と免責が割り増しになります)次回は投資物件の家財保険の話をします。
(注意:個々の案件は必ず保険会社の査定があり、それによって対象となるかどうかが決まるので、文中の例はあくまでも一般例です)
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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