この7月で2周年を迎えたキウイセーバーはまだまだ出来たてホヤホヤの制度ですが、その間に細かい変更が何回かありました。そのたびにプロバイダーはパンフレットや申込書を印刷し直さなければならず、大手だとその印刷代だけで1回50万ドルぐらいかかるそうです。(業界裏話)
プロバイダーにしてみれば、「お願いだからもう変えないで」と言いたいところでしょうが、これは加入者にとっても同じです。前回お話したように、変更は加入者やこれから加入する人にとっての特典の減少を意味します。すでに100万人も加入しているわけですから、国としてはこれ以上特典を増やす理由はないわけです。
かなり先の話とはいうものの、キウイセーバーが義務化される可能性もあり(設立段階から義務化は視野に入っています)、そうなれば特典が削減されたり廃止されることは十分考えられることです。
そのためにも今ある数々の特典を生かして、少しでも積立残高を増やしておくのが得策だと思います。特に65歳まで10年ぐらいの方は今の特典をフルに生かせるチャンスが高いでしょう。若い方でも残高を積み上げておけばおくほど長い目で見ると、より高い運用益を得られる可能性が高いと思います。
改めて今ある主な特典を見てみましょう。
1)企業と国からの拠出金(企業は従業員給与の2%を拠出、国は年間1,043ドルを上限に拠出)
2)口座開設ボーナスである積立開始報奨金(キックスタート)1,000ドルの支給
3)加入後継続して3年以上積み立てた後、初めて自宅を購入する場合、丸3年なら3,000ドル、丸5年以上なら5,000ドルが国から支給される(支給は一回のみ)
1)については、第80回 キウイセーバーがお得な訳
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=80
で詳しくお話しているのでここでは省きます。2)は加入者全員に支給されるもので、口座に直接入金され積立残高の一部になります。週20ドルを1年間積み立てた金額が約1,000ドルですから、これをポンともらえるのは大きいと思います。
あまり知られていないのが3)で、「いつかはNZでマイホームを」と思っているのであれば、これは使える制度です。
「何十万ドルもする家を買うのに数千ドルもらっても。」
と思われるかもしれませんが、なかなかどうして、これがマイホームへの近道になるのです。次回は具体例を見てみましょう。
今日のところは、「今ある特典を生かせ!」ということを覚えておいてください。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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