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日本とニュージーランドのサッカー文化の違いを考える:現地でプレーする日本人の視点から(後編)

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回は、日本とニュージーランドでサッカーをプレーしてきた経験をもとに、ピッチ外での文化の違いについて紹介していきます。

日本のスポーツの現場では考えられないような文化や環境がニュージーランドではよく見られるので、とても面白いです。

 

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①チーム文化とコミュニケーションの違い

日本: 上下関係があり、先輩・後輩の関係がはっきりしている。礼儀や挨拶を重視する。
ニュージーランド: 年齢や立場に関係なくフレンドリーでカジュアル。選手同士もコーチとの距離も近く、リラックスした雰囲気。

日本のスポーツ界でよく見られる上下関係のようなものはニュージーランドではあまり見られません。特に日本では高校生年代に当たる15−18歳の選手や大学生の選手も、大人とプレーする機会もありますが、年齢関係なくとてもフレンドリーな関係を築いています。

英語という言語の性質上、コーチなどに対しても「さん付け」で呼ぶのではなく、名前で呼び、日本に比べとてもカジュアルです。

また日本ではミーティング時に選手が黙って話を聞くことが多い印象がありますが、ニュージーランドでは選手が積極的に発言していきます。

②サッカーと日常生活のバランス

日本: サッカー中心の生活になりがちで、練習や試合の時間が多い。学校や仕事との両立が大変。
ニュージーランド: サッカー以外の時間も大切にする文化。家族との時間、趣味、仕事とのバランスを重視。

ニュージーランドでは、仕事とサッカーや、プライベートとサッカーのバランスがとても重視されているように思います。

僕が学生の頃は、なかなか部活動を休むということが出来ませんでしたが、ニュージーランドでは家族とのディナーや、旅行で練習を休むということも多く見かけます。

日本で感じていた「休みにくい雰囲気」や「周囲からの圧力」は、ニュージーランドにはあまりなく、あくまでも自分のLifeの一部としてサッカーが存在しているように思えます。

③試合やイベント後の過ごし方

日本: 試合後はすぐに振り返りやミーティングが行われ、反省点を共有することが多い。
ニュージーランド: 練習はすぐに解散し、試合後は「アフターマッチ」でチームメイトや対戦相手と交流することが一般的。

ニュージーランドではトレーニングや試合の後に、すぐに振り返って反省するということはあまりありません。

僕が日本で経験してきた、とても長いミーティングというものをニュージーランドではいまだに経験したことがないです。

またニュージーランドでは「アフターマッチ」という文化があり、試合後には相手チームともフレンドリーに交流します。ついさっきまで試合中に喧嘩していた相手と、試合後にはビール片手に笑いながら談笑している姿にはかなりカルチャーショックを受けました。

日本と比較して、ONとOFFの切り替えがハッキリしていて、そして重視されているように思います。

まとめ(日本とニュージーランドの違いから学ぶこと)

・どちらが良い、悪いというわけではなく、文化による違いがある
・日本のサッカーの真面目さや規律の良さ、ニュージーランドのリラックスした楽しむ文化

これまでに紹介してきたように、ニュージーランドでは日本では考えられないような文化がサッカーを通して多く見られます。しかし、それらはどちらが正しいとかではなくて、あくまでも「違い」でしかないことを僕は海外に来て学びました。

特に日本の部活動では、「厳しい理不尽を乗り越えないと強くなれない」と教育され信じてきましたが、ニュージーランドの人たちを見ていると違った正解があるように思えてきます(逆に日本のスポーツ現場が世界的にユニークすぎると最近は思い始めています。)

こうした文化の違いをサッカーを通じて見れることがとても面白いですし、海外でサッカーをすることの醍醐味なのかと思います。

 

NZで現役サッカー選手として活動する日本育ちの日本人。他にもオーストラリアやスペインでもプレー。
現在は選手としてプレーしながらも、自身の経験から世界のサッカーを伝えるべく、サッカースクールを開設。
https://www.glocal-football.com/