カフェに有るケーキ達
私の家族のカフェでは、ケーキは全てホームメイドです。チーズケーキ、チョコレートムースケーキ、ガトーショコラ、シュークリームがあります。ケーキ担当は、母とキッチン係で働いている女性です。ニュージーランド人のお客様の口にも合うように少し甘めにしてますが、基本的は日本のお菓子のレシピを使ってます。
チーズケーキは数種類ありますが、スフレチーズケーキ以外は全部グルテンフリーです。最近グルテンを避けているや、アレルギーで食べられないお客様の人数が増えて来ましたので、母はオーソドックスなチーズケーキにはクッキーやスポンジ生地をベースに敷いてますが、グルテンフリーにする為にベース無しでも崩れない硬さのチーズケーキのレシピを考えました。硬すぎると、チーズケーキらしく無くなるのでバランスを探すのが難しそうです。
もう一品のグルテンフリーのケーキは、ガトーショコラ。ガトーショコラは、良くお客様から驚かれる商品です。大概のグルテンフリーのケーキは、米粉などを使うせいで少し硬くなり、しっとり感があんまり無いケーキが多いのですが、家のガトーショコラは小麦の代わりにメレンゲを角が立つまで泡立て膨らませるのです。そのため、しっとりしてリッチな味わいのグルテンフリーのチョコレートケーキが焼けるのです。
最近の新商品は、抹茶ムースケーキ。日本人らしい発想のケーキですが、実は抹茶を使った商品は最近ニュージーランドや他の海外では、大ヒットしているらしいです。日本の抹茶パウダーを使っているので少し苦めですが甘いムースとチョコレートスポンジの生地で、バランスが良いケーキに仕上がっています。私達のカフェが有る田舎には、少し新鮮ですが周りに有るカフェとは違う商品を出すのも楽しいです。
私もカフェに出すケーキを焼いてます。私はお菓子作りが、コーヒーを淹れるのと同じぐらい好きですなので、大学の勉強が忙しくてケーキが焼けないとすごく残念です。私達のカフェで出している商品の中で私しか作れない商品が一つ有ります。それは、アップルパイです。
ある日私は、レシピ本を読んでいた時に、アップルパイのレシピを発見しました。その本に載っていたアップルパイがものすごく美味しく見えて、「ニュージーランドのカフェには無いアップルパイを作ってみよう」と思い、作り始めました。アメリカのレシピを参考として作っていますので、私達のカフェで売っているケーキ達とは甘さの度合いが違いますが、くどい甘さでは無くりんごの酸味もちゃんと味わえるアップルパイに仕上がってます。
愛情がいっぱい篭っています
アップルパイを作るには、大体2時間かかります。まず生地を作ります、生地を1時間休すませている間にりんごを1キロ近く手で皮をむき、薄いスライスに切っていきます。あまりにも手間がかかってますので、父に良くアップルスライサーを使用する事を進められました。
でもアップルスライサーなどを使用すると、スライスが大きくなりずぎてしまいアップルパイの味わいが変わってしまうので、私は絶対使いません。頭が固いと言われますが、アップルパイを一個作るたびに愛情を込めて、それをお客様が美味しく食べてくれるのが喜びの一つなのです。ですからどんなに大学の勉強が大変でも、バイトがいっぱい入っていても、必ずアップルパイは、私が作らないと満足できません。
アップルパイのファンは、男性99%です
アップルパイを試してくれるお客様は結構多いです。少し昔ながらのケーキですが、ほとんどのカフェはもう販売していない商品です。「アップルパイ」と言えば、お母さんやおばあちゃんがお家で作ってくれるデザートやおやつのイメージ。残念ながらこの風景は最近ではほとんど見かけません、そのせいか、アップルパイのリピーターは99%、40歳以上の男性です。
一番ビックリした感想は、「美味しかった!まるで僕のおばあちゃんが昔作ってくれてたアップルパイみたいだ!」と60歳ぐらいのお客様に言われました。そのアップルパイが20歳の私が作ってると言う事を知ったらどう思うのだろうか?と、少し面白かったです。
もし、このアップルパイがお客様の懐かしい思い出の味だとしたら、私達のカフェでしかもう食べれない物と言う事です。そう思うと、一生懸命作るのがすごく大切だという事を、強く感じます。
COFFEE MANIA 2号
バリスター、ベイカー、女子大生
2001年家族でニュージーランドに移住
2010年家族でカフェをオープン
2014年カフェを改造し、Little Rascals Coffee shopに変更。
2015年NZ Brewers Cup 4位