セミの鳴き声を聞くと「あ~夏だな」と感じますね。ニュージーランドにもセミはいますが、日本のセミとはちょっと違います。ニュージーランドのセミについてご紹介します。
ニュージーランドに生息するセミの種類は?
日本でセミの声といえば、代表的な「ミーンミーン」から始まり、「ジジジジ」、「ツクツクボーシ」、「キキキキ」などさまざま。種類もミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシなどいくつも挙げられますよね。それに比べてニュージーランドで耳にするセミの声は「ジージージー」が一般的。日本には32種類のセミが生息しているそうで、鳴き声が多様なのも頷けます。
ではニュージーランドには何種類のセミがいるのでしょうか? 声の種類から推測すると3~4種類くらいかと思いきや、なんと日本よりも多い42種類! ちなみに世界には全部で3000種類ほどのセミが存在します。調べるとかなり奥が深い昆虫といえますね。
最も有名なセミは「コーラス・シケーダ」
ニュージーランドで最もよく見かせるセミは「コーラス・シケーダ」。日本語に直すと「合唱ゼミ」で、「ジージージー」と鳴く声の正体がこちらです。
コーラス・シケーダは体長が最大で40ミリ。ニュージーランドでは最大のセミなのですが、日本のミンミンゼミは57~67ミリ、アブラゼミは55~63ミリですからこの国のセミは全体的に小型です。よく似た種類のセミがオーストラリアやニューカレドニアで見られることから、コーラス・シケーダもこれらの国々からやってきたと考えられています。
コーラス・シケーダのマオリ語名は「キヒキヒ・ワワ」。キヒキヒとは「セミ」のことで、「ワワ」とは大雨の音。つまり大雨のような音を立てて鳴くセミという意味です。
岩山に生息する珍しいセミも!
街中でもよく見かせるコーラス・シケーダと異なり、遭遇するのはちょっと難しいですがニュージーランドらしいセミといえるのが「マオリ・シケーダ」属。全部で19種類いますが、どれも体長14ミリ程度と小さく、トンガリロ国立公園などの高山や岩山に生息する世界で唯一の珍しいセミです。

photo: © Female specimen of Maoricicada iolanthe AMNZ21720 held at the Auckland War Memorial Museum
日本にも、例えば宮古群島にしか分布していないミヤコニイニイなど地域特有のセミがいますが、ニュージーランドもエリアごとに生息するセミの種類が異なります。この夏はニュージーランドのセミを観察してみてはいかがでしょう。