タラナキ地域は、ワクチン一回目の接種率が90パーセントの目標を達したばかり。しかしその陰には、ワクチン反対派からの物理的な、そして言葉での暴力に絶えずさらされてきたスタッフの努力がある。
タラナキヘルスボードのワクチン接種担当者バーバラ・ブレイ氏は、エルサムで2人の同僚とワクチン接種のためのバンを設置した。
地域住民へのワクチン接種は比較的順調だったが、反ワクチングループの標的となった。
「今では十分に警戒しています。ひどい言葉を投げつける人もいるし、あからさまに怒りをぶつける人もいます。そういう目にあったときは、即立ち去ります」とブレイ氏。
「こわいのは、ワクチンを受けるふりをしてバンに乗り込み、車内で激昂してケンカ腰になる人です。ただ通りすがりに怒鳴ったりする場合は、こちらは無視します。私たちはやるべき仕事を全うしているだけなのに、本当に理不尽です」
ハウェラのクリニックから150メートル離れた場所で屋外臨時接種を取りまとめているレイチェル・ラエ氏も、チームが暴力を受けた経験がある。
「誰かが近づいてきたと思ったら、看板や三角コーンを蹴り倒したこともあります。最悪なのは殴り合いとなって警察を呼んだことも一度ではありません。スタッフの数を増やして、危険を感じたら必ず誰かが警察に連絡ができるようにしています」
タラナキのワクチン接種プログラム担当者は、チームの状況を踏まえて、より人目に触れやすい場所での設置と、常に警察に設置場所を連絡している。