動物病院のVet Service Waipukurauが、フェイスブックに投稿したあるビデオが約5万回再生された。
このビデオでは、23頭の乳牛の群れが、「カモン、ガールス、こっちよ!」と必死に叫ぶオーナーの声のする方向に頭をあっぷあっぷさせながら懸命に泳いでいる姿を捉えている。
サイクロン・ガブリエルが襲ったホークスベイで、牛たちは約500メートルを安全な場所まで泳ぎ切った。
獣医のアン・ゲーリングさんは、飼い主カイル・マッキンタイアさんの呼び声に応じる牛たちを見て、「感動しました。カイルは牛たちを心から愛し、それは牛たちも同じ」と語る。
牛たちは事前に安全な場所に移されていた。そこは1988年のサイクロン・ボラによる洪水でも被害を受けなかった高い場所にある土地であったが、カイルさんが確認しに行ったとき、すでに水は牛たちの首あたりまで来ていた。
ワイパワ川に流されるように浮かんだ牛たちをみて、パニックになったカイルさんは声を振り絞って牛たちにこっちにくるよう呼びかけた。
ゲーリングさんは、「カイルはまだショックに震えていますが、無事水を渡り終えた牛たちは今はリラックスしています」と語る。
「今は牛たちを介抱しています。5頭には肺炎の徴候があり集中的に治療していますが、安全な場所で、充分に食事を与えられ全頭くつろいだ状態でいます」とゲーリングさん。