6月締めの1年で、国内の自殺者が600人を超えた。息子が自殺したある母親が、事態をよくするために何らかの変化が必要なことを人々に訴えている。
自殺者の数は、この3年間上昇し続けており、今年は606件となった。前年より27件、前々年より42件多い数値であり、統計を取り始めた2007年以来最大件数となった。
ニッキー・スティーブンスさん(21歳)は、2015年3月にワイカトのメンタルホスピタルで、監視のつかないタバコ休憩時間に自らの命を絶った。彼の母親ジェイン・スティーブンスさんは、"Yes We Care"というグループが展開するキャンペーンに参加している。このキャンペーンでは自殺に関する認識を喚起するため、国内各地に606足の靴を並べる。一足一足が、死んでしまったそれぞれの人を表している。
「これらの履き手のない靴は、人生を破壊された人々、生活が全く別のものになってしまった家族などの象徴です。私もまた、これらの靴の中の一足です。私の体験したことを、他の人には体験してほしくありません」とジェインさん。
また22歳の息子を亡くしたバリー・ニールさんは、「何かしなくてはならないが、非常に大切なのは『助けを求める』姿勢を誰もが持つことだ」と語る。
最も自殺の多かった年齢グループは20歳から24歳で、ニールさんは「この年齢の若者は、弱みを見せたがらず、自分は強いことを表に出したがる。自分の悩みを打ち明けられないでいる」と問題を分析している。
ニュージーランドでは、ライフラインやうつ病のためのヘルプラインなどの無料電話サービスが設けられている。