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高齢の中国人移民を取り囲む見えないバリア

「East Meets East」というある新しいドキュメンタリー映画がある。ニュージーランドに15年間住んでいる79歳のファン・ルーツェンさんの日常を撮影したものだ。

毎週金曜日に彼女は、オークランド東のスーパーマーケットへ、中華料理の材料と、同胞との交流を求めてやってくる。ファンさんは、この国に住むのは好きだけれど、地元の人々と会話をするのはとても難しい、と語る。
「道で人に会っても、ハローかニイハオしか言えません。英語を学ぼうと思いましたが、歳のせいで習ったこともすぐ忘れてしまいます」
このドキュメンタリーの監督、ジュリー・ツーさんは、「高齢者の移民に対し、『英語を学ばないなら、母国へ帰れ』という意見を持っている人もいますが、実際の中国人移民の生活ぶりを見てほしかった」と語る。

ウェリントンのChinese Senior Community Trust代表者は、「高齢者の中国人たちは、彼らの持っていた全てを捨てて、子供たちについてこの国にやってきました。言葉だけでなく、生活様式に馴染むことがとても難しいのです」と苦労を語る。

最近の国勢調査では、2013年には1万7,000人の65歳以上の中国人がこの国に住んでいるという数値が出ており、2038年にはこの数値は4倍になると予測されている。

「East Meets East」は、ニュージーランド・フィルム・フェスティバルで上映される予定。