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第279回  ガンになったらいくらもらえる? 

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【ガンになったらいくらもらえる?】
「知り合いがガンになったらお金がもらえたんですけど、それってどういう保険ですか?」
「高橋さんの扱っている医療保険だと、ガンになったらいくらもらえますか?」
「NZでガン保険に入ってガンになったら、いくらもらえますか?」
 
 さあ皆さん、こういう質問をされたらどう答えますか?仕事柄こういう質問に年中お答えしています。
 
【ガンはお金も時間もかかる】
 突然倒れ救急車で搬送されることが多い心臓疾患や脳疾患と違い、ガンは発見→治療→闘病と長い長い時間を要する場合がほとんどで、治ったと思っても転移や再発に目を光らせなければなりません。身近にガン患者がいなくても、
「ガンはお金も時間もかかる」
というのは、なんとなくご理解いただけることでしょう。だからこそ
「ガンになったらいくらもらえる?」
ということが、皆さんの大きな関心のようです。
 
【ガンになったらいくらかかる?】
 実際ガンになったらいくらぐらいかかるのかを、保険会社の資料からみてみましょう。
皮膚ガン(病変した皮膚の切除のみで放射線治療を含まないもの)1000-4,500ドル
前立腺ガン(前立腺摘出を伴わない放射線療法)2万1,000-2万5,000ドル
化学療法(抗がん剤治療、投与スケジュール1クール毎)1万5,000-14万ドル
放射線療法(照射スケジュール1クール毎)1万8,000-3万7,000ドル
(資料:nib社)
 
【治療が始まらないと、費用も期間もわからない】
 上の例は比較的症状の軽いガンへの治療です。ガンの三大治療である化学療法、放射線療法、外科療法(ガンの切除や摘出手術)を組み合わせて行うこともよくあり、それに合わせて費用も上乗せされていきます。症状によっては前立腺ガンで前立腺摘出を行ったり、治療を何クールも行う場合もあります。ガンの場合、治療が始まり、体が治療に対してどう反応するのか、副作用がどうかなどを見極めないと、最終的に医療費がいくらになるのか、治療期間がどれぐらいになるのかわからない場合がほとんどです。
 
【質問の答え】
 さて、最初の質問の答えです。
「ガンになったらお金がもらえたんですけど、それってどういう保険?」
 これは特定疾病保険、NZではトラウマ保険と呼ばれている保険で、大病が発覚した時点で、ご加入者が自分で決めていた金額(例:年収1年分など)が払われる保険です。保険金の使い道はご加入者の自由なので、いざという時には心強い保険です。
 
「医療保険だと、ガンになったらいくらもらえますか?」
 医療保険は治療費をカバーする保険なので、各保険が定める条件に応じて実際にかかった治療費が支払われます。NZの無料の公立病院では数ヶ月にも及ぶ診療の順番待ちが一般的です。医療保険は順番待ちを回避し、私立病院で速やかに治療をするためのものです。ただし、保険料の安い医療保険はガン治療を含まないものが多いのでご注意を!
 
「ガン保険に入ってガンになったら、いくらもらえますか?」
 これもトラウマ保険と同じで、ご加入者が自分で決めていた金額(例:年収1年分など)が支払われます。保険金に合わせて保険料が決まるので、必要額や月々の負担を考えて自分で決めることができます。
 
 実際のガン闘病の話は以前ご紹介しているので、リンクをご参照下さい。
第205回  28歳のガン生還者
http://nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=205

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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