【住宅ローンがあったら保険はなにを?】
よく受ける質問ですが、
「家を買う(または買った)んですが、何の保険に入ればいいんですか?」
というもの。まず、住宅ローンの有無にかかわらず、真っ先に入るべき保険は住宅保険です。人生で最も大きな買い物ですから、まずは保険で守らねばなりません。
そして、医療保険です。家があってもなくても病気になったら、真っ先に治療を受け、1日も早く日常生活に復帰できる体制を整えておくことは欠かせません。
【全壊しても住宅ローンは残ります】
地震などの自然災害や火災で家が全壊して住めなくなっても住宅ローンは残り、返済が続きます。ローンがない場合でも住むところがなくなったら大変困ります。住宅に対する国の自然災害補償機関EQCは、住宅保険に入っている物件しか対象にしないので、「保険がなくても国がなんとかしてくれる」という認識は全くの間違いです。
【空き巣被害から全壊まで幅広い補償】
全壊でも半壊でもすぐに現状復帰をするには保険が欠かせません。特に家の購入という大きな出費の後に、何万ドル、何十万ドルという現金がすぐに用意できる人は少ないのではないでしょうか。住宅保険は「空き巣に入られてドアや窓を壊された」「うっかりお風呂の水を出しっぱなしにしてカーペットが水浸しになった」などという場合も対象になり、実は請求件数が意外と多い保険でもあります。
【ローンがあったら生命保険】
ローンがあったら欠かせないのが生命保険です。一家の稼ぎ頭に万が一のことがあり、返済に行き詰れば担保に差し出している大事な家は銀行のものになり、ほとんどの場合で銀行が売却し、ローン残高の返済に充てます。買った値段よりも大きく値上がりしていて、ローン残高や売却にかかった諸費用などを差し引いてもお釣りがあれば、その分は戻ってきます。しかし、買って数年で値上がりがほとんどなかったり、購入価格よりも値下りしていれば、家がなくなっても不足分はローンとしてさらに残ってしまいます。
【保険金はローンの残高だけでは足りません】
ローン残高以上の生命保険金があれば、それでローンを返済し、家を失うことなく残されたご家族で大変な時期を乗り切ることができるでしょう。よくローンの残高相当の保険金を掛けているケースを見受けますが、稼ぎ頭を失えば、当然ながら葬式代、NZに残るか日本に帰るにしても、まずは当座の生活費、お子さんがいれば養育費も必要になるので、その辺の必要額も考慮して保険金を設定する必要があります。必要なお金があれば、その後の生活をどうすべきか冷静に考える時間と余裕を得ることができます。
【大病をしてもローンの返済をつづけるために】
そして3つめが、こちらでトラウマ保険と呼ばれている特定疾病保険です。特定の大病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中など)になったときに、年収の1、2年分など事前に設定しておいたまとまった金額が支払われる保険です。これを読んで、
「え?必要なのは所得補償保険(インカムプロテクション保険)じゃないの?」
と思われる人もいるかもしれませんね。つづきは次回で。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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