【ニーズの分類】
生命保険の話を続けます。前回は「ニーズに合わせた生命保険の入り方をご紹介していきます」というところで締め括りましたが、個人のニーズは本来ばらばらなものです。そこで「独身者」か「既婚者またはパートナー同士のカップル」という括りでニーズを分類してみましょう。
【独身に生命保険?】
「独身に生命保険?誰に何のために保険金を残すの?」
と驚かれるかもしれませんが、海外暮らしならではのニーズがあるのです。一般的に生命保険は残されたご家族の生活を支えるために加入するので、独身者には縁がないように考えられがちですが、
「海外で独り身の自分にもしものことがあったら?」
と考えたら、「まてよ」となりませんか?
【海外暮らしならではのニーズ】
私が扱った例でいえば、生命保険にご加入された独身者のニーズは皆さん、
「日本の両親(またはきょうだい)に来てもらうため」
というものでした。自分に万が一のことが起きた場合、日本の両親かきょうだいがすぐにNZに駆けつけ、葬儀を行い、住居を片付け、必要なものを日本に送りと、あれこれ手続きをすることになるので、その費用を生命保険でカバーしようというのです。ですから保険金の受取人は日本のご家族です。
【独身の場合いくら掛ければいい?】
目的が万が一の時の日本からのご家族の呼び寄せ費用であるとすれば、実際にはいくらの生命保険に加入しておけばいいのでしょうか。「保険金はいくらぐらい?」というご相談を受けた場合は、以下のようにご案内しています。
呼び寄せる人数 x 1万ドル
葬儀費用=1万ドル
諸雑費・予備費=1~2万ドル
【保険金としては4~7万ドル】
ニーズをいろいろうかがうと、最終的な保険金は4~7万ドルになることが多いです。ご両親にきょうだいが同行するというケースが一番多いので、呼び寄せる人数は3~4人になります。呼び寄せ費用の1人1万ドルは高いように感じるかもしれませんが、一刻を争う時に経由便の格安チケットを探している余裕はなく、直行便の航空券を正規料金で購入することになるでしょう。さらに国内とNZの移動費と宿泊費が必要です。
【必要になる迅速かつ日本語のサービス】
NZに到着してからも一刻を争います。葬儀の手配や諸手続き(職場との連絡、アパートの解約、荷物の発送、預金がある場合の引きおろし手続きのための弁護士との打ち合わせなど、想像以上の手続きが発生することでしょう)をすぐに進めるために、通訳やエージェントを頼んでハイヤーで動き回ることになると思います。こうしたことを家族が自力でするのは、よほど英語に堪能で海外慣れしていても難しいでしょう。ご家族が慶弔休暇をとっている場合は、さらに時間が貴重です。こうした全てに想像以上の費用がかかることを覚悟しておいた方がいいでしょう。
次回は実際の保険料がどれぐらいになるか、いろいろなケースをご紹介します。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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