久々によくある医療保険への質問をご紹介しながら、どうしたら保険料を抑えられるかを考えてみましょう。
 
【質問】：親子3人で医療保険に入っていますが、1ヶ月の保険料が200ドルを超えてきて、キーウィの主人が解約したがっています。私も主人も持病持ちの家系なので、将来の事を考えると保険がないのは不安です。今は夫婦共に健康ですが、知り合いが公立病院の手術のために何ヶ月も待たされたりしたので、なんとか保険料を抑えて加入を続けたいのですが、なにかいい方法がありませんでしょうか。子供を保険から外したら、いくらぐらいになるのでしょうか。主人は50歳で私は42歳です。娘は高校生です。
 
【回答】：どの保険会社のどのプランに入っているのかわからないのですが、この金額からすると、免責（自己負担）のないタイプに加入しているのではないかと思われます。そうであれば、免責をつけることで保険料を抑えることができます。
 
　試しに私の取り扱っている保険会社の1社で1ヶ月の保険料を見積もってみると、以下のようになります。
【条件】
男性50歳、女性42歳、お子さん18歳（夫婦共に非喫煙者、既往症なし）
GPをカバーせず、専門医での治療や各種画像系検査、入院・手術をカバーする保険
【非喫煙者の保険料】
免責なし：214ドル
免責500ドル：171ドル
 
　免責の有無でこれだけ保険料が変わります。この保険会社の免責は、入院や手術などに適用されるだけで、専門医での治療や検査はごく一部（MRIや胃カメラなど）を除いて免責がありません。
（ただし、細かいことは保険会社やプランによって異なるので要確認です）
 
　21歳未満のお子さんの保険料はどの保険会社も1人につき10～20ドル台で保険料を設定しているはずなので、お子さんを保険から外しても保険料を大きく抑えることはできません。むしろお子さんの保険料は安いので、将来のことも考えて加入を続けた方がお得だと思います。
 
　またご夫婦のどちらかでも喫煙をする場合は、禁煙というのも大いに保険料を抑制できる方法です。上の保険料を同じ条件で夫婦共に喫煙者で算出してみると、
【喫煙者の保険料】
免責なし：254ドル
免責500ドル：203ドル
 
　毎年の保険料の値上がりはインフレだけでなく、年齢が上がっていくことが一番の理由です。「加入したときは○○ドルだったのに」という声もよく聞きますが、加入後の年数分年齢を重ねているので、例え今は健康であっても、病気になるリスクが高まっていることをお忘れなく。
 
　特に女性は20代後半～50代前半にかけて、婦人科系疾病のリスクが高まることが保険金請求の統計上明らかであることから、同年齢の男性に比べて保険料が高くなることが多いです。保険会社によっては性差による保険料を設定している場合があり、上の質問者の場合も、そうであれば、奥さんの保険料の方がご主人のより高くなっていると思われます。
 
　保険料の安さだけを追求して医療保険を選ぶと、化学療法や放射線治療といったガン治療を対象としなかったり、特定の病気だけに限定した保険だったりする場合もあるので、加入時には既往症（保険加入以前に発症していた疾病や症状、検査によって疑いを指摘されていたもの）以外で「保険の対象とならないもの」があるかどうかをよくよく確認することも重要です。医療保険は保険料と保障内容が比例していると断言できるので、「保険料が安くて保障内容が充実しているもの」というのを探すことができない保険と言えます。
 
　家系に遺伝的な病気がある場合はご家族でよく話し合って、加入を続ける方向でご検討なさることをお勧めします。NZの医療保険は日本の健康保険と違って、2割または3割負担といった継続的な自己負担がないので、保険会社やプランにもよりますが、加入後に病気になった場合はほとんどが保険でカバーされ大変心強いと思います。