【賃貸物件の保険】
前回はテナントの保険の話をしたので、今回は家主の保険の話をします。最近の円高と低金利でマイホームだけでなく、「2軒目の家を買いました」とか「賃貸向けの家を買おうと思っているんですが、そういう保険はありますか」というお問い合わせを受けることが増えました。そういう方の強い味方が、家主特約です。
【家主特約とは】
家主特約とは住宅保険に付ける特約で、物件を賃貸に出している大家さん向けのものです。この特約の目的は、火災、自然災害、偶発的な事故で賃貸中の家に被害が出たときの補償です。対象は主に以下の2つです。
1)家賃が入ってこなくなったときの家賃補償
2)賃貸物件の中にある家主の家財への補償
【ローンがあるのに家賃が入ってこないピンチを救う】
賃貸物件が消失してしまったり、地震や自然災害で住めなくなったら、テナントが入れられず賃貸料が入ってきません。その間も住宅ローンの支払いがあったら、家主にとっては大問題です。この場合、家の現状復帰(建て直しや修理)は住宅ローンで、失った家賃収入は家主特約で補償します。
【家賃を最大4万ドルまで補償】
私が扱っている保険の場合、基本的に4万ドルを上限に家賃を補償します(条件によってはそれ以上になる場合もあります)。家賃が週400ドルであれば、100週分、約2年間の家賃が特約で補償されます。その間に家を建て替えたり、修理したりできるのでローンの返済にも支障がないはずです。
【大家の家財を最大2万ドルまで補償】
火事や自然災害で家に被害が出たら、家の中にある大家の家財への被害も避けられないでしょう。他にもテナントのうっかりで、カーペットやカーテンなどの備品が使えなくなったり、家具や電化製品が壊れた場合も対象になります。この場合の補償額の上限は2万ドルで、減価償却が適用されます。
【注意点】
家主特約だけでなく、賃貸物件に対する住宅保険の請求には追加の免責(自己負担)がかかります。どこの保険会社でも、
通常の免責150ドル+追加の免責250ドル=400ドル
に設定していることが多いです。(通常の免責は金額を上げて保険料を抑えることもできるので、必ずしも150ドルとは限りません)
また、物件が保険会社に無断で60日以上空き家になっていた場合は補償の対象とならないのでご注意下さい。この条件は住宅保険にも適用されます。
【保険会社によっては扱っていない場合も】
家主特約は保険会社によって扱っていない場合もあります。賃貸物件の見積もりを依頼されて、「家主特約はどうしますか?」とお尋ねすると、「それって何ですか?」という話になることもよくあります。先日もあるお客様からご依頼があり、見積もりをお出ししたところ、家主特約を付けても、お客様がそれまで加入していた別の保険会社の家主特約がない住宅保険よりも、さら低い保険料になりました。
家主特約は大家さんの強い味方です。賃貸物件がある場合はぜひご検討下さい。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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