NZは無保険でも車が運転できる国ですが、今日はフルカバー保険に入っていて、保険会社が味方になると「こんな展開にもなる!」という具体例をお話してみましょう。
まず、NZの自動車事故で非常によくある事故の一つで、信号のある交差点や一時停止の場所で後続車に追突されるケース。両者が「自分が被害者」として譲らず、相手が修理することを主張して決着が付かない場合、さて、どうなるでしょう。
お客様で実際にあった例ですが、保険会社がいろいろ調べ上げた結果、お客様には非がないと判断し、お客様の了承を得て裁判に持ち込みました。判決は「相手に100%非がある」というもので、無保険だった相手は数千ドルの修理代の支払いを命じられました。
フルカバー保険なので、保険会社が全て保険で修理し、免責も当然相手が支払うのでお客様の負担は一銭もありません。もちろん保険を使った記録も残らないので、事故の件が翌年の保険料に反映することはなく、この件は一件落着しました。
別件で、駐車中に当て逃げされたお客様の件も裁判になりました。この時は数人の目撃者がいて、当て逃げした車のナンバーなど詳細がわかっていました。この件も保険会社が裁判に持ち込み、相手に1万数千ドルの支払いが命じられ、お客様の車は廃車になり、保険金が支払われました。
いずれのケースもお客様が完全に被害者であることが裁判で認められたわけですが、保険に加入していない個人が裁判に訴えるとなると、相当の負担を覚悟しなければならないと思います。100%被害者であっても、その負担(時間や労力だけでなく、金銭的な面でも)を考えると、泣く泣く泣き寝入りをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、保険会社はこうしたケースのプロですから絶対に泣き寝入りなどしません。どんどん訴え、保険金支払い分を相手に請求します。もしも当事者になったら、保険会社が味方についてくれることがどんなに心強いか、当たり前とはいえ自分が被害者と認められることでどんなに安心するか、想像がつくことでしょう。
こういうケースでは加害者こそ高飛車になり、なんとか事実を捻じ曲げようと、あの手この手を使い、被害者を誹謗中傷したり、逆に全く話し合いに応じず、居留守を使い、携帯電話の番号まで変えて無視を決め込んだりします。
キーウィですら手を焼くこんなケースに日本人がかかわらざるをえなくなったら、どれほど大変で苦労するか、おわかりかと思います。フルカバーで自分の車が保険の対象になるということは、こういう「安心」も手に入れているということをご理解下さい。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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