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第165回  既往症がある人の医療保険加入-医療保険編 

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医療保険の話を続けます。前回お話した、よくある医療保険の誤解に、
「検査は保険の対象にならない」
というのがありますが、もう一つの誤解に、
「既往症は保険の対象にならない」
というのがあります。
 
 既往症(保険加入以前に発症していた疾病や症状、検査によって疑いを指摘されていたもの)は通常保険の対象にならないので、誤解とは言い切れませんが、保険会社によっては病気や症状によっては対象にするところもあります。
 
 よくある例として、スメア検査(子宮頸がん検査)で「ポジティブ」(陽性)という結果が出た人がいたとします。「ポジティブ」と言ってもいろいろなレベルがあるそうで、極度に疲れているだけで引っかかってしまうことがある、という話を聞いたこともあります。軽度の場合はほとんどのケースで、数ヵ月後に再検査を受けると陰性になっているそうです。
 
 さて、ここで質問です。
【質問】:スメア検査で1回でも「ポジティブ」となったら既往症でしょうか。
【回答】:既往症です。検査結果がGPに残っているので、医療保険に加入するときは必ずこの件を伝えて下さい。
 
 さらに質問です。
【質問】:既往症とみなされたら、将来的に子宮頸部になにかあっても保険の対象にならないのでしょうか。
【回答】:保険会社や症状によります。
 
 例えば、A社の場合は、全ての既往症は保険の対象にしません。「スメア検査で一度「ポジティブ」になり、半年後の再検査で「ネガティブ」になった」と記入しても、陽性反応が一度でも出ているので既往症とみなされます。
 
 ところが、B社の場合は、「再検査で「ネガティブ」になった」という現状をより重視します。実例でいうと、医療保険加入時に、「今後3年間毎年スメア検査を受け、3回ともネガティブであれば4年目以降は保険の対象とする」という条件が付くことがあります。条件さえクリアすれば「既往症とはみなさない」というのです。
 
 もちろん、既往症の程度や種類にもよるので、すべてのケースで上のような対応が取られるわけではありませんが、A社のように最初からシャットアウトしてしまうのではなく、B社のようにドアを開いたままにしてくれる保険会社もあるので、「既往症があるから」と諦めてしまう前に、ぜひご相談下さい。
 
 また既往症の糖尿病や高血圧などの生活習慣病に対しても、除外項目(保険の対象にしない)としてしまう保険会社もあれば、保険料の割り増しを条件に既往症扱いにしない保険会社もあるので、これもよく検討することをお勧めします。
 
 生活習慣病は年齢とともに合併症を併発する可能性が高まります。特に親が同じ病気を持つ場合は遺伝であることも多く、GPでも親の病気をよく聞かれるのはこのためです。そうであれば、保険料が25%の割り増しになっても(場合によっては50%の場合もあります)、既往症扱いにならず、100%保険の対象になることは一考に値するのではないでしょうか。
 
既往症に関してはリンク先もご参考下さい。
第133回 既往症の重要さ-医療保険編 
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=133
第134回 既往症をカバーするには-医療保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=134

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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