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第154回  車を盗まれてしまったら-自動車保険編 

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去年の春先から、自動車保険への請求が増えています。理由はよくわかりませんが、自動車事故に関する保険のお問い合わせやクレームをよく受けるようになりました。事故はいつ誰の身にも起こることなのだと、クレーム処理をしながらつくづく思ってしまいます。お互い気をつけましょう。
 
(この件はリンク先からもどうぞ)
第137回 知っているようで知らない自動車保険‐被害者になったら 
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=137
第138回 知っているようで知らない自動車保険:サードパーティー保険
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=138
 
 さて、ここ最近続いたクレームは車両盗難です。
外出先で用事を済ませてパーキングに戻ったら、「車がない!」
朝起きて仕事に行こうとしたら、「車がない!」
 絶対に起きてほしくないことですが、運悪くこんな目に遭ってしまうこともあるのがNZ暮らしの現実です。ここは15~30分に1台の割合で車両盗難が起きている国です。
 
 車両盗難の防止には今のところ、電子キーであるイモビライザーの装着が一番有効だと言われています。イモビライザーを装着するとキーから発信されるIDコードを車両側が照合するため、一致しないとエンジンがかかりません。
 
 装着するだけで停車中は小さなライトがピカピカ点滅するので、イモビライザーが着いていることが一目でわかるようになります。もちろん、車体になにかしようとすればアラームが作動します。
 
 それでも車両側のIDコードをリセットしてしまうとか、プロの手にかかるといろいろな方法があり、完ぺきな防止策はありませんが、イモビライザーの予防効果が高いことは確実で、保険会社もこれを装着しているかどうかを保険申込時に確認し、装着の有無は保険料に反映します。
 
 車両盗難に遭ってしまった場合、どうすればいいのでしょう。まず、警察に通報して下さい。盗難・火災特約のついた保険やフルカバー保険に入っている場合は、保険会社にも連絡してください。盗難に遭ってもかなりの確率で発見されるのがNZです。
 
 よくあるのが、さんざん乗り回してガス欠になった場所で乗り捨ててあるケース。ガソリンスタンドには防犯カメラがあって足がつくので、犯人はまず給油をしません。次にあるのが、乗り捨てた場所で証拠隠滅のために火をつけられるケース。道端で丸焦げになった車を見たことがある人もいるでしょう。
 
 いずれの場合も車両が見つかったことになるので、盗難扱いにはなりません。この場合盗難ではないため、たとえ乗れない状態まで破損していても盗難・火災特約では保険の対象にならないのでご注意ください。フルカバー保険であれば、自分の車への損害も補償するため修理もしくは、廃車の場合は被害にあった車の市場価格相当分または保険会社によっては予め設定してある保険金の支払いが行われます。
 
 盗難車が見つかっても、バンパーやドアがぶつけられていたり、鍵穴が壊れていたり、ガラスが割られていたりと無傷である方が珍しいです。乗り捨ててあった場所から自宅まで牽引する費用もフルカバー以外では保険の対象にならないので、遠い場所だと費用もばかになりません。こうして見つかってもなかなか喜べないケースもあります。
 
 まずは防犯、できたらフルカバー保険での自衛をお勧めします。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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