300人以上の犠牲者を出したアメリカの竜巻で驚いていたら、今度はニュージーランド、しかも日本人も多く住むノースショアで竜巻が起きました。こんな街中で大規模な竜巻が起きるとはまったく予想外です。アルバニーの竜巻は20年ぶりだそうですね。
地図で見るとけっこう広い範囲を移動したようで、皆さん被害はありませんでしたか。
ひっくり返った車や屋根瓦が飛ばされた家の映像を見ては、「どこの保険会社だろう?」とつい思ってしまいますが、ちょうどいい例なのでこういうことが起きたときに、誰が何を補償するのか(または補償してもらえるのか)をおさらいしておきましょう。
【自動車】
ひっくり返ったり、倒壊した木につぶされたり、津波被害が思い出されるほど派手に壊れた車がずい分ありました。車内での犠牲がなかったのは幸いです。
サードパーティー ⇒ 対物賠償保険(ぶつけた相手の車や物の修理・補償)なので自分の車への補償はありません。そのため自然災害による被害は対象になりません。
フルカバー ⇒ 対物も自分の車も補償の対象になるので、自然災害による被害も、
(1)修理できるものであれば修理
(2)修理不能で全損となれば、損害発生時の市場価格で保険金が支払われます。
(3)購入後1年未満の新車は減価償却の適用がなく同じ車種の新車が提供されます。
(保険会社によっては条件付きで加入時の「合意価格」(保険会社と加入者が取り決めた一定価格で減価償却を適用しない価格)を支払う場合もあります)
無保険 ⇒ どこからも補償はありません。
【住宅】
瓦が飛ばされた家が何軒もあったようですが、竜巻は洪水、地震、津波同様に自然災害なので、住宅保険に入っていれば政府機関EQC(地震委員会)の対象になります。
住宅保険 ⇒ 壊れた屋根、壁、窓など住宅(ガレージやプールなど敷地内の建造物も含む)の損害を補償します。木が倒れてきた場合も同様です。上限10万ドルまでをEQCが、残りを加入する保険会社が補償して、修理をするか全壊の場合は建て替えます。
無保険 ⇒ どこからも補償はありません。
【家財】
屋根が飛ばされれば、当然家の中にも被害が出ます。この場合は家財保険で補償します。家財もEQCの対象です。ガレージ内のものも補償の対象になります。
家財保険 ⇒ 家が壊れたり、家の中まで水が入ってきたことで使えなくなった家財(家具、電化製品、食器や衣類など。)を補償します。上限2万ドルまでをEQCが、残りを加入する保険会社が補償します。
無保険 ⇒ どこからも補償はありません。
【店舗・事務所】
今回の竜巻はショッピング・モールで大きな被害を出しましたが、住宅以外の建物はEQCの対象になりません。
ビジネス保険 ⇒ 任意のビジネス保険で休業補償や在庫品に保険をかけている場合のみ、それぞれの補償を受けることができます。建物の被害は家主の責任になります。
無保険 ⇒ どこからも補償はありません。
(ビジネスオーナーの方への一言アドバイス:ビジネスオーナーで特にビジネスを買った場合、前任者の保険を引き継いでいることが多く、どんな補償内容なのか知らないまま保険料を払い続けているケースがけっこうあります。こういう場合はぜひ保険内容の確認と、それが今のビジネスに合ったものなのか、または他社からも見積もりを取って適正な保険料かを再チェックすることをお勧めします)
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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