あっという間に2月になってしまいました。お子さんのいる家庭はいつもの生活に戻って忙しくなっていることでしょう。運転していても車が増えたのを実感します。特に登下校時の混雑を目にすると、夏休みが終わったという感じがします。
春ぐらいから自動車事故に関するクレームが増えてきています。駐車場や走行中のちょっとした接触、駐車している間の当て逃げと、幸い小さな事故がほとんどですが、この仕事をしていてこんなに頻繁にクレームを受けるのは初めてです。
少し景気が回復してきて公私ともに車に乗る機会が増えているのでしょうか。理由はわかりませんが、ぜひお互い気をつけましょう。特に飲酒、雨天、疲労、急ぎは要注意です。
小さな事故の第一報を受けたときに必ずする説明はこんな感じです。
・運転者の名前、連絡先(自宅・勤務先、携帯の番号)、自宅住所、Eメール、車のナンバープレート、契約している保険会社名、運転免許証番号を控える
・こうした情報を偽る人もいるので、相手に目の前で携帯から自分の携帯に電話を掛けてもらい、相手の番号が合っていることを確認する
・写真が撮れる状況であれば、できるだけ多く事故状況とナンバープレート、運転者の写真を撮っておく(相手へのプレッシャーにもなる)
・日時、場所以外にもできるだけ状況を記録しておく(天候、事故当時相手が携帯電話を掛けていた、助手席に犬がいたなど、特に相手の情報を詳細に)
・目撃者がいたらその人の情報ももらっておく
相手も同じ情報を求めてくるはずですから、こちらも正確に伝えましょう。警察を呼ぶような大きな事故でも基本は一緒です。警察に頼らず自分でできる限り情報を取っておいて下さい。
被害者になってしまったケースでよくあるのが、相手が事故現場では低姿勢で申し訳なさそうなのに、後から連絡を入れると、「事故などしていない、そんな道を通っていない」とか「そっちが加害者だ」とか「その程度のキズで修理など必要ない」と手のひらを返したように態度が変わることです。
保険に入っていると言っていたのに、「保険など入っていない」または「(翌年の保険料が上がると困るので)入っているけど使いたくない」など話が一変してしまい、修理どころではなくなってしまうのです。
これは加害者の性格だけでなく、加害者の周りの人がいろいろ入れ知恵している場合もあり、こうなると実質的に相手が一人ではなくなっているので非常に厄介です。年配者が年齢や健康状態を理由にのらりくらりと話を引き延ばすというケースも実際にありました。
その前に教えられた電話番号がデタラメで連絡が取れず、ナンバーから住所を探し出さなければならない場合もあります。(そのため目の前で携帯から電話を掛けてもらうことが重要なのです)
こちらが外国人とみて一方的にまくし立てたり、居留守を決め込んだり、携帯電話の番号を変えてしまうなど悪質な場合もあります。
こうなった場合、フルカバー保険に入っていれば自分の車も保険でカバーできるので、相手の詳細を保険会社に伝え、とっとと自分の保険で修理してしまうのが得策でしょう。(保険会社は相手が特定できる限り、徹底的に取り立てます)
もしも保険会社が相手に100%過失があると認めた場合は、免責(自己負担分)も先方から取り立てるので免責を払う必要はなく、翌年の保険料にも影響しません。
(この辺の判断は保険会社や事故の状況によるので要確認です)
残念ながら相手の過失を証明できないまま自分の保険を使い、それが翌年の保険料に反映してしまったとしても、その差額と悪質な相手に神経をすり減らしながら自力で取り立てるのと、どっちの負担がより大きいでしょうか。その間、車の修理もできないわけです。
翌年の保険料の値上がりを気にする方も多いですが(状況によっては値上がりしない場合もあります)、万が一のときを守ってくれるのが保険だと思います。次回へつづく。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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