キウイセーバーの話が続いたので、今回はあまり知られていない家財保険の話をします。景気が悪化しているせいなのか、最近家財保険のご加入がじわじわと増えています。「友人が泥棒に入られたので」という加入者も何人かいらっしゃいました。
家財保険とは日本人には聞き慣れない名称ですが、家にある持ち物を補償する保険で、一番の目的は盗難被害の補償です。ご存知のようにニュージーランドは空き巣が非常に多く、「コンピューターとXボックスだけ盗られた」など、子どものイタズラかと思うような素人っぽい手口が目立ちます。しかし、手口がどうあれ立派な犯罪です。
被害者にとっては、
「他に盗られたものはないか」
「また戻って来るかも知れない」
「盗られたものを買い替えなくては」
「買い換えたらまた狙われるだろうか」
と大変な心労です。そんな不安なときに失ったものを補償してくれるのが家財保険です。
実は家財保険の補償は盗難被害ばかりに限りません。あまり知られていないのですが、他にもいろいろなケースが補償の対象になります。
例えば、
「天井から雨漏りがして、下にあったテレビが使えなくなった」
「ストーブを近づけすぎ、家具を焦がしてしまった」
「買ってきたばかりの新品を落として壊してしまった」
「料理中の小火と消火で、周りの家電が使いものにならなくなった」
など、自然災害、火災、その他の「うっかり」も対象になり、ショッピング・プロテクション機能も兼ねています。
また特約を付けたり、保険の種類によっては外出先での盗難も補償するので、外出の多い方、なぜか何度も車上荒らしに遭ってしまう方、普段から高価な宝飾品を身に付ける方などは検討されるといいでしょう。
単純に言えば、家そのものやそれに付随する動かすことのできない、台所、風呂、カーペット、壁(不動産)などの被害は住宅保険で、動かすことのできる個人の持ち物(動産)は家財保険で補償します。「天井から雨漏りがして、下にあったテレビが使えなくなった」という場合では、天井は住宅保険で、テレビは家財保険で補償します。
ただし、損害保険の特徴として保険金請求には必ず免責(自己負担)が発生しますので、被害が少額の場合は免責額を再確認することをお忘れなく。
家財保険に関しては過去にも取り上げているので以下のリンクもご参考下さい。
「夏の盗難にご注意-家財保険編」
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=27
「家財保険選びのコツ-家財保険編」
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=28
(注意:個々の案件は必ず保険会社の査定があり、それによって対象となるかどうかが決まるので、文中の例はあくまでも一般例です)
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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