前回は「NZ大好き」のニュースでも何度も取り上げられた「地方保健局による診察待ちリストからの患者の削除」について、「なぜ公共医療が無料のはずの国で、キーウィの3人に1人もが医療保険に加入しているのか」をご説明しました。今回は医療保険加入のタイミングについてお話しましょう。
保険屋の立場から言えば、そのタイミングは早ければ早いに越したことはありません。病気にかかってしまってからではその病気が保険でカバーされない場合がほとんどですので(保険によっては発症から一定期間経っているなどの条件で保障される場合もあります)、少しでも健康で既往症がないうちに加入するのが、最も安全で安心です。
そうは言っても、若くて健康であればあるほど、
「保険ね~」
と二の足を踏んでしまいがちでしょう。お気持ちはお察しします。時々、「○○が痛くて明日病院へ行きたいんですが、今から保険には入れますか?」というお問い合わせを受けるもので(笑)
「キーウィのおじいさん、おばあさんの中には、かわいい孫のために医療保険をプレゼントする人がいる」、という話を聞いたことがあります。なるほど、子どもの時から保険に入っていれば全ての病気が保険でカバーできるわけです。(加入後に発症した病気なら、ほとんどの保険で加入を続ける限りカバーされます)日本で「孫のために」と、学資保険を贈るような感覚なんでしょう。
成人して自分で加入する場合は、誕生日前に加入することをお勧めします。医療保険の場合、年齢別で保険料が変わるので、ある保険で「25~29歳」「30~34歳」までが同一料金だった場合、30歳の誕生日までに加入すれば25歳の人と同じ料金になりますが、誕生日を越えてからであれば34歳までの人と同じ料金となります。どちらがお得か、おわかりでしょう。ただし、保険会社や保険の種類によって年齢の区切り方が違うのでご注意下さい。
それからもう一つ。ここ数年のニュージーランドはガソリンや電気などのエネルギー価格、人件費、不動産価格とあらゆるものが軒並み上昇してきました。上昇分を吸収し続けてきた企業も限界で、最近ではメーカーから公共交通機関まで値上げラッシュと呼びたいほど、いろいろなものを値上げしてきています。保険も例外ではなく、インフレを反映して、各社とも今年に入って保険料値上げの構えを見せています。これはすでに新聞でも報じられているので、業界機密でもなんでもありません。当然ながら、同じ保険ならぜひ値上げ前にご加入されることをお勧めします。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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