「たんぱく質」と聞いて思い浮かぶのは、肉、魚、卵、牛乳、大豆製品――そんな方がほとんどではないでしょうか。
もちろん、それらはたんぱく質が豊富な代表的食品です。でも、実は私たち日本人は、それと同じくらい“意外なもの”からたんぱく質を摂っているんです。
その意外なものとは――穀物です。
穀物からのたんぱく質、実はけっこう多い!
日本人の食生活を調査した国民健康・栄養調査によると、私たちが摂取するたんぱく質の割合はおおよそこのようになっています:
「えっ、穀物からそんなに!?」と思った方もいるかもしれません。
確かに、肉や魚と比べると、穀物のたんぱく質含有量は少なめです。でも、ごはんやパンなど主食は毎日・毎食しっかり食べるので、全体の摂取量としては意外に多いのです。
アミノ酸スコアで見る「たんぱく質の質」
たんぱく質の“量”と同じくらい大切なのが“質”です。
たんぱく質の質は、「アミノ酸スコア」という指標で評価され、体に必要なアミノ酸がバランスよく含まれているほどスコアが高くなります。
たとえば:
つまり、ごはんは小麦粉よりもたんぱく質の質が高い主食なのです。
これは、パンやパスタなど小麦中心の食生活と比べて、ごはんを主食にすることで、たんぱく質の“質”も上がることを意味します。
ごはん+みそ汁=アミノ酸スコア100!
さらにうれしいのは、ごはんとみそ汁の組み合わせ。
お米に足りないアミノ酸を、お味噌に含まれる大豆たんぱく質が補ってくれることで、アミノ酸スコアはほぼ100になります。
この組み合わせ、実は昔から日本人が日常的に食べてきたものですよね。
「一汁一菜」の食事スタイルが、栄養の面でも非常に理にかなっていることが、あらためてわかります。
みそ汁でなくても、納豆や豆腐などの大豆製品+ごはんでも同じようにスコアは上がります。
ごはんは、消化にもやさしいたんぱく源
動物性たんぱく質(肉・魚・卵など)は優秀ですが、消化に時間がかかるため胃腸に負担がかかりやすいという一面もあります。
一方で、ごはんや味噌汁は消化にやさしく、胃腸を労わりながらたんぱく質を補える、しかもお値段がリーズナブルという点で、毎日の食事にとり入れやすい“続けられるたんぱく源”と言えるでしょう。
「お米からのたんぱく質」も、選択肢のひとつに
ダイエットや健康づくりのために「たんぱく質をしっかりとりたい!」と思ったとき、肉や魚ばかりに頼らなくてもいいのです。
ごはんや味噌汁など、日本の基本の食事スタイルを意識するだけで、自然とたんぱく質を取り入れることができます。
胃腸が疲れているとき、時間がないとき、お財布がピンチなときでも、 「ごはん+みそ汁」なら、無理なく体を支えてくれます。
次の食事は、ごはんを主役にしたたんぱく質補給、始めてみませんか?
次回は、「カロリーを減らせば痩せる」は本当なのか?という疑問にお答えします。
実は、数字ばかりを気にするダイエットがうまくいかない理由が、そこにあるんです