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第282回  指定病院のある医療保険とない医療保険 

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【キャッシュレスができる医療保険は?】
 医療保険のお問い合わせの中に、
「いざという時立て替えられないので、キャッシュレスができる保険がいい。」
というリクエストを受けることがあります。指定病院のある医療保険であれば、まずキャッシュレスができます。しかし、保険会社直営の病院ではない提携病院の場合は自動的にキャッシュレスになるとは限らないので、事前に保険会社に確認する必要があるでしょう。
 
【事前に保険会社に連絡することでキャッシュレスに】
 最近はMRIの検査でも1000ドルを超えてくるようになり、ちょっとした検査で数千ドル、手術となれば万単位も珍しくありません。気になる症状があり、軽い気持ちでGPに行ったら専門医を紹介され、
「検査だけで数千ドル?」
とびっくりする場合も多いことでしょう。医療保険があれば、事前に保険会社に連絡して許可をもらっておけば、専門医が直接保険会社に請求し、指定病院かどうかにかかわらずキャッシュレスにすることができます。
 
【キャッシュレスにした場合の注意点】
 注意すべき点は、専門医が保険会社に直接請求したからといって、全額が保険でおりるという意味ではありません。例えば免責(自己負担)のある保険の場合、後から専門医か保険会社から加入者が負担すべき免責額の請求があります。また、保険のプランによって治療ごとに年間上限額があるので、これが低めに設定されている保険会社やプランの場合、上限額をオーバーした分は後から加入者に請求が来ます。
 キャッシュレス=保険会社が全部支払う
という意味でははないので、この点は注意が必要です。
 
【どっちがいい?指定病院のあるなし】
 これもよく聞かれることですが、
「指定病院のある医療保険とない医療保険は、どっちがいいですか?」
という質問があります。これは自動車保険で修理のために指定工場がある保険会社と、ない保険会社があるのと同様で、どっちがいいというよりもご加入者のお好みだと思います。指定病院のあるなしの具体的な違いを書き出してみますのでご参考下さい。
 
【指定病院や提携病院がある場合】
 
メリット
・専門病院に心当たりがない場合、探す手間が省ける
・ほとんどの場合、指定病院ではキャッシュレスができる。その際には保険証書と身分証明書(免許証やパスポート)を必ず提示します。
・治療に年間上限がある場合、指定病院はその範囲内で対応するケースが多い
 
デメリット
・指定病院や提携病院以外での治療が保険の対象にならない保険会社もある。その場合、かかりつけの専門医が提携病院ではない場合、保険を使うためには医師を変えなければならない
・GPに紹介された専門医が指定病院や提携病院でない場合、どの病院を利用するかを決める必要がある
・指定病院や提携病院が家から遠い場合もある
 
【指定病院や提携病院がない場合】
 
メリット
・自分の好きな病院や医師を自由に選ぶことができる
・かかりつけの専門医がいる場合、そのまま治療を継続できる
 
デメリット
・キャッシュレスにするには事前に保険会社に連絡して確認する必要がある
・治療費によっては保険会社の年間上限を超える場合がある

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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