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第114回  基本保障とライフステージ保障-生命保険編 

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7月以降の生命保険の値上げの件は、ご加入者やご加入を検討されている方には気になるところでしょうから、続編を続けます。
 
(値上げに関しては以下のリンクやその続きをご参考下さい)
第108回 生命保険料が25%の値上げ?!-生命保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=108
 
 とうとう保険会社の1社が7月1日からの値上げを発表しました。他社も順次値上げに出ると思います。新たな課税という避けられない事態ですから、値上げは時間の問題でしょう。値上げ幅も各社、五十歩百歩ではないかと思います。
 
 ご加入者の間でもこの件は徐々に認知され始め、「今入っている保険を見直したほうがいいだろうか」というお問い合わせを受けるようになりました。結論から言えば、7月からの値上げにかかわらず、加入から一定期間経た保険を見直すことは、決して無駄にならないと思います。
 
たった数年経っただけでも、
「もう一人子どもが生まれた」
「NZでの永住を決めたので日本の生命保険を解約しようと思う」
「共働きだったけれど、子育てに専念するために家内が仕事を辞めた」
「円高だったので日本の預金で住宅ローンを繰り上げ返済して、ローンがなくなった」
など、加入時と状況が変わっていることも意外とあるものです。また、保険会社の方でも新しいタイプの商品を出していて、そちらの方がお得だったりということもあります。
 
 見直す場合、まず今の状況(家族構成、収入、ローンの有無など)に照らして、加入している保険がいざという時に過不足ないかどうか、日本の保険が円高もあって支払いに負担が生じていないかなど、きちんと計算し直してみることをお勧めします。
 
そして7月以降の対策として、生命保険を2つに分けてみることも一案です。どうするかというと、生涯必要とする「基本保障」と、その時々で必要とする「ライフステージ保障」に分けて考えます。「基本保障」は万が一のときに、残されたご家族が当面必要とする一定金額を設定します。「ライフステージ保障」は人生のその時々に合わせて金額を変動させていくように設定します。
 
「基本保障」の部分は「70歳満了型」「80歳満了型」など保険料据え置き型にします。1年ごとに更新していく掛け捨て型だと値上げの影響をすぐに受けてしまう上、年齢とともに保険料が上がっていくので、保険料据え置き型は後々お得になってきます。
 
(詳しい内容は以下のリンクをご参照下さい)
第110回 保険期間の長い生命保険で値上げに対抗-生命保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=110
 
 一方の「ライフステージ保障」はお子さんの年齢や住宅ローンの有無に合わせて、必要なときに必要な額を「10年満了型」など比較的期間の短い保険や掛け捨て型で補うものです。お子さんが社会人になったり、ローンが完済した時点で、保障金額を減額したり加入をやめたりしてり負担を軽くします。最終的に「基本保障」が残るので、老夫婦2人になったらこれだけで十分でしょう。ずっと先を見通す分、保険料据え置きは心強いと思います。
 
「うちは長寿の家系で」という人には「100歳満了型」もあります。平均寿命が延びている現在、「人生90年」はそう遠い話ではないでしょう。(キーウィは90代でも達者な人が多い気がします)生命保険を見直すのであれば、ぜひ「基本保障」と「ライフステージ保障」の面からご検討してみて下さい。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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