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第262回  皮膚科に行きたい 

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【夏に多い肌のトラブル】
 夏は日に焼けたり、汗をかいたり、虫に刺されたりで皮膚のトラブルが増えます。あせもができたり、虫刺されにアレルギー症状が出て刺された場所だけでなく、周りがむくむほど腫れてしまったり、原因不明の痒みや赤み、肌荒れなどいろいろな症状があるときに日焼けがかさなって、さらに悪化してしまうこともあります。こういう場合、どうしたらいいでしょう?
 
【まずはGPへ】
 日本だったら肌のトラブルとなれば、すぐ皮膚科に駆け込むところですが、NZではそうはいきません。まず、かかりつけ医であるGPに行きます。通常はGPが薬を処方し様子をみることになります。症状が改善しなかったり、GPが皮膚科の専門医の診療が必要と判断して紹介状を書けば、いよいよ皮膚科にかかることになります。
 
【NZではGPが医療制度の玄関口】
 「どうしてそんなに面倒なんですか?肌の問題なんだから、最初から皮膚科に行ったらだめなんですか?」
と多くの日本人は思うでしょうが、これがNZの医療制度の基本形です。この国では歯科以外、眼科も含めてすべてGPが医療制度の玄関口になります。玄関から入らないとどうなるのでしょう?
 
【皮膚科に直行しようとすると。。。。】
 GPを経ずに皮膚科に直行しようとするとどうなるか、私も友人を手伝う関係で経験したことがあるので、その時の対応をご紹介します。
「GPの紹介状がない?では、予約は受け付けられません。」
と、あっさり断られ、
「友人は旅行者で海外旅行保険がある。」
と説明すると、やっと予約を受け付けてもらえました。クリニックに出向くと、「治療費に保険がおりなくても一切責任は取らない」という文書にサインをさせられ、治療費はその場で支払って、自分で保険会社に請求するよう求められました。
 
【まず予約を受け付けてもらえない】
 一連の対応がGPという玄関から入らない場合の問題を良く示していると思います。NZではGPの紹介がないまま皮膚科だけでなく、あらゆる専門医に直接予約を入れようとしても、ほとんどの場合で断られます。逆に言えば、GPレベルで対応できる専門医療を必要としない治療は基本的に受け付けていないのです。
 
【紹介状がないと医療保険の対象にならない】
 これは非常に重要な点なのでぜひ覚えておいて下さい。専門医をカバーする医療保険に入っていても、直接専門医に行った場合は保険の対象になりません。国内の医療保険はNZの医療制度にのっとった内容なので、どこの保険会社でも同様です。
ただし、海外で加入してきた海外旅行保険は基本的に全ての医療行為を対象にしているはずなので、予約さえ取れれば直接専門医に行っても請求することができるでしょう。
 
 なぜGPがこんなに強い権限を持っているのか不思議ではないですか?これに関しては次回また詳しくお話します。皮膚科に直接行けないのには深い理由があるのです。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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