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第 233回  保険屋が勧める保険、勧めない保険:子連れで里帰りするんですが 

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前回は自分が扱っているにもかかわらず、お客様によってはお勧めしない保険の話をしました。今回は「え?そんな時でも保険が要るんですか?」と言われながら、強くお勧めする保険をご紹介します。
 
 それは海外旅行保険です。
「日本に帰るぐらいで、海外旅行なんて行きませんよ。」
 という人もいますが、ちょっと待って下さい。ここに住んでいれば日本も立派な『海外』です。
 
「でも、実家に泊まってるし、健康保険もあるし、保険なんて要らないでしょ?」
 と言われる場合もあります。本当に健康保険がありますか? NZに住んでいても住民票を残し、保険料を払っていますか?
 
「住民票はもちろん抜いてますよ。でも帰国したら親の扶養家族に加えてもらえるから健康保険が使えます。」
そうですか? 本当にいつもそうしていますか? と尋ねると、
「えー、前はしてたんですけど、ここ最近はしてません。」
どうしてでしょう?
 
 最近は各自治体が厳しくなっており、住民票のない海外在住者の一時帰国時の健康保険の加入条件を非常に厳格にしています。条件の内容は自治体次第ですが、「日本に帰国している3週間だけの加入」というような場合は、受け付けてくれないところがほとんどではないでしょうか。保険料を払っていないのですから、公正と言えば公正です。
 
 私の実家がある自治体も数年前から条件が厳しくなり、今では里帰りしてもその間だけ健康保険に加入することはできなくなりました。本帰国したと偽っても保険料を負担するのが嫌でどこかで加入を取り消してしまえば、同じ手は2度と使えないと思います。
 
 こうなるといくら日本人といえども、日本は立派な『海外』です。滞在中に風邪をこじらせたり、これからの季節は熱中症や食中毒も心配です。風疹も増えています。交通事故に遭っても、日本にはACCはありません。さらには、急性疾患で公立病院に運ばれても、無料で医療を受けられるシステムも当然のことながらありません。
 
 そこで里帰りする日本人にお勧めしているのが、海外旅行保険です。保険があれば自治体の窓口で健康保険加入の件で粘りに粘ってダメだった、などという話を素通りして、滞在時間を思いきりエンジョイすることができるでしょう。
 
 お子さんが熱を出してもお腹を下してもとっとと病院に行け、保険会社に提出するために医者に診断書を書いてもらって、請求書と一緒に提出すれば、こちらでNZドルで保険金を受け取ることができます。
(注:診断書に掛かる費用は保険の対象外であることが一般です。)
 
 さらに飛行機が天候不順など航空会社が補償しない事態で遅れた場合も、ほとんどの保険で補償の対象にしているため、空港で夜明かししなくてもホテルに滞在してそれを保険に請求することもできます。海外旅行保険に入っていれば、NZを出たところではなく、家を出たところから保険の対象になるので、特にお子さん連れの場合は安心です。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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