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第232回  保険屋が勧める保険、勧めない保険:親が日本から来るんですが 

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連休はいかがでしたか。オークランドはいいお天気が続いて行楽日和でした。
 
 今日は「保険屋が勧める保険、勧めない保険」というテーマで、まず保険屋でありながら私が勧めない保険をご紹介しましょう。
 
「両親が日本から遊びに来るんですが、高橋さんのところで保険をお願いできますか?」
ときどきこういうお問い合わせを受けます。観光客が加入できる保険は私も扱っているので(ワーホリやガーディアンと同じ保険です)、ご両親の加入手続きをして、自分の仕事にすることは簡単です。
 
 しかし、私のアドバイスは、
「もしもクレジットカードに付帯している保険がないなら、日本で海外旅行保険に入った方がいいですよ。」
というものです。
「えっ?高橋さんはこういう保険を扱ってないんですか?」
とか、
「保険屋さんなのにわざわざ別の保険を勧めるんですか?」
と言われることもありますが、理由を説明すると皆さん納得されます。
 
 一番の理由は加入者に最も便利な保険を考えるからです。ご両親となれば60~70代がほとんどで、日本に住み、英語がペラペラである可能性はまずありません。いくらこちらに息子や娘がいても、何かあったら飛行機に乗れる状況である限り、「まず帰りたい」「日本の医者と日本語で話したい」というのが一番の希望ではないでしょうか。
 
 それだったら、日本で海外旅行保険に入り、こちらで治療を受けた後、必要であれば帰国してからも治療を続け、日本語で保険の請求手続きをして、保険金が日本の銀行口座に円で振り込まれた方がいいと思いませんか? NZの保険なら保険請求の書類の記入など手続きがすべて英語になり、保険金もこちらの銀行口座に入金されるか、NZドル建ての小切手で支払われます。
 
 また、日本で海外旅行保険に入っておけば、現地と帰国後の治療の両方が保険の対象ですが、NZの保険なら、ここにいる間の治療はカバーしますが、出国後の治療は対象になりません。
 
 こうして状況を比較してみると、高額でも日本で海外旅行保険に加入した方がいいのがおわかりでしょう。なので、両親、兄弟、友人といったごく短期の旅行者にはNZの保険をお勧めしていません。
 
 逆に、ガーディアンビザ、ワーキングホリデービザ、学生ビザを取って長期間こちらに滞在する方には、日本の海外旅行保険よりもずっと割安なNZの保険をお勧めしています。こうしたビザを取って長期滞在している場合は、多少の治療のためにいちいち帰国できないので、NZで治療してNZで保険金を受け取れる方が便利だからです。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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