今回もキウイセーバーに関する「よくある質問」を続けます。
 
【質問】：キウイセーバーに興味がありますが、将来は日本に帰ることも計画しているので迷ってます。早ければ3、4年後、長ければ10年後ぐらいの計画で絶対に帰るかどうかわかりません。こういう場合でも加入しておいた方がいいのでしょうか。
 
【回答】：こういう質問は今まで何回も受けました。永住権を取得してもなかなか先の事まではわからないものです。「数年後のこともわからないのに、老後のことなどもっとわからない」というのもわかります。
 
　今後数年から10年、ひょっとしたら老後もNZでとなると、キウイセーバーに加入しておくのは悪くないと思います。よく誤解されている点ですが、キウイセーバーは帰国した場合は解約ができるのでご安心下さい。この件はすでに書いているのでリンク先をご参考さい。
第91回　キウイセーバー：【質問コーナー】解約と加入者の死亡について　
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=91
 
　解約しても自分の積立て分、勤め人だった場合は会社の積立て分、加入時にもらった1,000ドルの積立開始報奨金（Kick-Start）は自分のものになります。政府が支給する拠出金（今月末までは年間1,043ドル、7月からは年間521ドル）だけが受けとれません。これが「途中で解約するとお金は政府に没収される」などという根も葉もない噂の理由になっているようですが、全くの誤解です。
 
年収5万2,000ドルの人がこの7月から積み立てを開始した場合を考えてみましょう。
【2011年7月～2013年3月】
年収：5万2,000ドル
企業と従業員の最低拠出比率：各2%
従業員の積立額：年間1,040ドル（5万2,000ドル×2%）、週20ドル（1,040ドル÷52週）
企業の拠出額：年間1,040ドル（従業員の積立額と同額）
国の拠出金：年間520ドル（年間521ドルが上限なので満額支給）
 
年間積立額合計：2,600ドル（年収の5%相当、月額216ドル相当）
 
【2013年4月以降】
年収：5万2,000ドル
企業と従業員の最低拠出比率：各3%
従業員の積立額：年間1,560ドル（5万2,000ドル×3%）、週30ドル（1,560ドル÷52週）
企業の拠出額：年間1,560ドル（従業員の積立額と同額）
国の拠出金：年間521ドル（年間521ドルが上限なので満額支給）
 
年間積立額合計：3,641ドル　（年収の7%相当、月額303ドル相当）
 

非常に単純計算ではありますが、来月から2014年6月まで丸3年間キウイセーバーを積立てただけで、年収5万2,000ドルの人なら最低でも、
【2011年7月～2013年3月】月額216ドル×21ヶ月＝4,536ドル
【2013年4月～2014年6月】月額303ドル×15ヶ月＝4,545ドル
 
合計（運用益（損）、口座管理料、運用手数料、税引前）　　
9,081ドル＋積立開始報奨金1,000ドル＝10,081ドル
 
　丸3年で最低でも1万ドルになる計算です（その間に昇給もあるでしょうから金額はさらに上がるはずです）。この間、自分の積立額と同じ金額を銀行預金にしていた場合、4,000ドルにもなりません。（金利4.5%、税引前）勤務先や国の積立て分が自分のものになることの威力は大きいです。
 
　夫婦で共働き・同年収であれば3年間で20,000ドルになりますから、決して少額ではないと思います。年収が半分であればこの半分と考えていいでしょう。解約しても国の拠出分以外の約3分の2の金額が手元に残ります。これが5年、10年となればかなりまとまった金額になるので、たとえここで老後を過すつもりがなくても、加入はお得だと思います。