今月19日に発表された来年度予算の中で、キウイセーバーの変更が盛り込まれました。前回は給与所得者の例を取り上げたので、今回は自営業者・主婦・学生・無職の人の例を取り上げてみます。
まず、誤解が多いようなのでもう一度確認しておきますが、キウイセーバーは永住権がある65歳未満の人であれば仕事の有無に関係なく、誰でも加入できます。給与所得者であれば自分以外に会社と国も一緒に積立ててくれるので、2011年7月以降でも年収によっては積立額×(自分+会社+国)で、最高2.5倍にすることができます。(2011年6月までは最高3倍にすることができました)
詳しくはすでに取り上げているのでリンクをご覧下さい。
第80回 キウイセーバー:キウイセーバーがお得な訳
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=80
さて、自営業者・主婦・学生・無職の人の場合は変更後どうなるでしょうか。こうした人は勤務先がないので企業による積立部分がありません。しかし、自分の積立てた分の半分を国が年間上限まで一緒に積立ててくれるので、最低でも積立額を1.5倍にできますから、やはりお得です。
積立額を1.5倍にできるということは、銀行預金で言えば金利50%です。そんな金利を払ってくれる銀行が世界中どこにもないように(ちなみに今のNZの金利は定期預金でもせいぜい4.5%です)、これは非常に特別なインセンティブで、NZは国を挙げて貯蓄の奨励に取り組んでいます。
来月7月からの変更後、国の拠出額は今までの年間上限額1,043ドルから521ドルに半減します(給与所得者も同様)。その結果、以下のようになります。
≪毎週20ドル積立てている人の場合≫ (積立額は自由に選べます)
【2011年6月末まで】
自分の積立額(年間1,040ドル、週20ドル計算)+国の拠出額(年間1,040ドル)=年間2,080ドル(運用益(損)、口座管理費、運用手数料、税引き前)
【2011年7月から】
自分の積立額(年間1,040ドル、週20ドル計算)+国の拠出額(年間520ドル、週10ドル計算)=年間1,560ドル(運用益(損)、口座管理費、運用手数料、税引き前)
*国の拠出額は自分の積立額の50%、年間上限額は521ドルです。自分の積立額が年間1,040ドルであれば、国の拠出額をほぼ満額受取ることができます。
ちなみに同じ額を銀行預金にした場合。
【定期預金】
自分の積立額(年間1,040ドル)+金利4.5%=年間1,086ドル(税引き前)
老後に向けての積立てやマイホーム購入のための積み立てであれば、キウイセーバーは変更後でも銀行預金とは比べられない魅力があるのがおわかりでしょう。減額した分を自分で穴埋めするか、そのままにしておくか、逆に自分の積立額も減額して100%の利回りを追及するか、対応はさまざまでしょうが、今まで積立ててきた金額を継続できればそれに越したことはないでしょう。
キウイセーバーの積立てはマイホームの購入にも利用できます。詳しくはリンクをご覧下さい。
第85回 キウイセーバー:マイホーム購入の近道
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=85
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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