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第140回  地震への対応 

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このたび再度のクライストチャーチでの大地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 
 神戸大震災や9・11を彷彿とさせるような惨状に言葉を失いました。1日も早く行方不明者の所在がわかり、ライフラインが復旧し、元の生活が戻ってくることを願って止みません。まずは余震が止んで一連の地震が収束することを祈っています。
 
 先週4ヶ月ぶりに地震の件を取り上げ、コラムが更新された翌日に再び地震が起きて驚いてしまいました。コラムのアクセスも急増して、2回目の地震の後に書かれたものだと思われたかもしれませんね。今回も被害のあったお客様がいました。さすがに2回目のせいか皆さんとても落ち着いているように感じられました。落ち着いていてもご辛抱は相当なものでしょう。ほんとうにお気の毒さまです。
 
 さて、加入している保険ごとに対応を整理してみましょう。
 
自動車保険:地震で車に被害があった場合、フルカバー保険であれば保険会社に直接ご連絡下さい。自動車と政府機関のEQC(地震委員会)は関係ありません。サードパーティー保険の場合は保険の対象になりません。
 
家財保険(コンテンツ保険):家の中の所有物に被害が遭った場合、まずEQCに連絡して下さい。家財保険加入者もEQCの対象です。上限2万ドルまではEQCで、それ以上は保険会社が補償します。
 
住宅保険:住宅に被害が遭った場合はまずEQCです。EQCが窓口となるため、保険会社に連絡しても直接対応することができないのでご注意下さい。これはどの保険会社も同じです。被害の10万ドルまではEQCで、それ以上は保険会社が補償するため、EQCの対応が決定することがまず先決になります。敷地内の液状化現象、塀、ドライブウェイなど住居以外の被害もできるだけご報告下さい。
 
 EQCに関しては、9月の地震への対応も一部しか着手されていないので、今回の地震への対応もかなり時間を要することになるのではないかと思います。被害に遭われた方には大変なご負担かとお察ししますが、今しばらくのご辛抱を。
 
 EQCの制度は「せっかく保険に入っているのに保険会社が動かない」と誤解される場合もありますが、NZ特有の制度で全ての対応がEQCに一本化されているので、どうぞご理解下さい。また、保険に入っていなければEQCという国の対応も受けられません。
 
ビジネス保険:会社や店舗に被害があった場合はすぐに保険会社にご連絡下さい。住宅以外はEQCの対象になりません。ビジネス保険は基本的にテーラーメイド保険なので在庫への被害や営業できなくなった場合の補償等は保険契約の内容によります。
 
ACC:保険ではありませんが、もしも地震で身体を強く打ったりひねったりした場合は念のためGPに行き、ACCのケースに該当するかどうかを確認しておくことも一案です。
 
 ケガと違い外傷がないので様子を見ていたり、忙しくて放っておいたりしても、後から痛みや不具合が出る場合もあります。この場合、地震との関連性を証明することが難しくなりACCの対象にならない事も考えられるため、気になる症状がある場合はご検討ください。(新聞でも報じられているとおり、ACCは最近、対象とするケースを非常に厳格化しています)
 
 ただし、GPはACCへの対応に対して手数料をとるので(金額はGPによります)、「ACCは無料」と誤解して小さなことでもクレームすると、GPの費用とACC手数料の両方を負担しなければならなくなるので、この場合もまたご注意ください。
 
 いつもより少し長くなりましたが、お役に立てれば幸いです。チャーチの皆さん、がんばって下さい!

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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