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第124回  増税ラッシュの中での生活防衛:個人でもできるこんな方法 

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前回はなぜNZで間接税の増税ラッシュが続いているのかをお話し、その対抗策として、「節税」「税還付」の一例を取り上げました。今回は通常の所得以外の「別のところで資金を確保する」方法を検討したいと思います。キーウィの間では手っ取り早く副業(アルバイトや親戚知人のビジネスの手伝いなど)を持つ人もいるようですが、英語を第一言語にしない、コネもない外国人に本業以外の仕事を見つけるのは、そう容易ではないでしょう。
 
 それでも得意分野があるならば、このNZ大好きのクラシファイド「求人・求職」に広告を出してみるのも一案です。子供向けの英語や日本語の先生、ピアノの先生、洋服の直し(男性にはボタン付けやズボンの裾上げだけでも助かりませんか)、ちょっとした家の修繕をしてくれる便利屋さんなど、「日本語で日本人に頼めたら」というニーズはきっとあると思います。我こそは!と思う人はぜひ広告を載せてみてはいかがでしょう。残念ながら私はこれと言った得意分野がないので、ここでコラムを続けます。
 
 副業以外でキーウィがよくやっているのが「ボーダー(間借り人)を入れる」ことです。家の空いている部屋にボーダーを入れる、つまりフラッティングです。日本人の中には「知らない人と一緒に住むのは」と抵抗を感じる人と、どんどん実践している人に分かれるかもしれませんが、余っている部屋があったら一考に値すると思います。
(ただし賃貸物件の場合は大家から又貸しの許可を得ていることが必要です)
 
 ボーダーの魅力は最初の2人につき家賃を週232ドルまでに設定すれば、非課税という点です。週464ドルの収入に税金がかからないのは助かります。その分、経費も計上できませんが、面倒な申告手続きを免除されるので、ほとんどの人は家賃を非課税枠内に設定しているようです。部屋数に余裕があれば、計4人まで非課税扱いになります。ただし、3、4人目は1人につき家賃の上限が週189ドルになる点にご注意下さい。
 
 これは全国一律の家賃で、毎年インフレを加味して見直されます。(昨年度の上限は週227ドルでした)家賃には食費、光熱費、留学生などであれば送迎費用など、あらゆる費用が含まれるので、別に洗濯、アイロン、インターネット代などの名目で費用を徴収することはできません。ボーダーから受け取る費用の合算が232ドルを越える場合は、収入として申告し納税する必要が出てきます。
 
 知り合いのキーウィには3部屋物件の家を買い、空いている部屋にボーダーを入れて住宅ローンの返済に充てている人もいます。2部屋を貸し出せば諸雑費を引いても週400ドル近くは返済に充てられるわけです。子どもができたら貸し出す部屋を1部屋にし、2人目が生まれたらフラッティングをやめるなど、計画的に行えばずい分家計の助けになると思います。(ただし、ボーダーが見つからない期間が生じる恐れもあるので、計画にはぜひご注意を)
 
 ボーダーに関してはIRD(税務署)のホームページに詳しく出ているので、ご興味のある場合は参考にしてみて下さい。
http://www.ird.govt.nz/income-tax-individual/different-income-taxed/rental-income/boarders/incometax-boarders-flyer.html

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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