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第65回  医療保険に入る3大理由-医療への関心が高い場合 

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「医療保険に入る3大理由」として、かなりのんびり更新となってしまったこのシリーズ(すいません)、いよいよ最終回です。
(1)留学やワーキングホリデーでいらしている方の海外旅行保険の延長としての加入、
(2)永住者やワークビザ保有者など長期に滞在される方の無料公共医療への不安からの加入、
に続いて、今回は、
(3)中高年の永住者で持病や手術の経験があり、健康や医療への関心が高い方の加入
を取り上げます。
 
 日本人の中高年者と話をしていると、意外に手術の経験がある方が多いものです。「胆石が見つかって」「不整脈を指摘されて」「小さい腫瘍を取ったことがある」など、どれも小さな手術なのですが、保険的に言えばこれらは既往症、つまり保険加入前に発症していた、または治療歴がある病気という扱いになります。その一方で元気はつらつ、医者要らずのキーウィの中高年もたくさんいます。
 
 この違いはどこから来るのでしょう。キーウィが健康で、日本人が不健康なのでしょうか? どうやらそうではないようです。日本人の場合、特に中高年の男性に多いのが職場の健康診断で問題が見つかるケースです。本人に自覚症状のないまま進行していた病気が、尿検査、血液検査、スキャンで続々とあぶりだされてくるのです。
 
 法律で定められている年一回の企業による定期健康診断は、企業にとって従業員の健康を守り、長期の休職を防ぎ、事業に支障を出さないというメリットが、本人にしてみれば未然に大病を防止できるというメリットがある、予防医療の理想のかたちだと思います。どんな病気も、なってから治すよりもならないに勝るものはありません。
 
 一方で、企業の97%が従業員19人以下の中小企業で占められるニュージーランドでは、個人事業主の比率も高く、会社負担で定期的な健康診断を受けている人の数は限られています。そのため、政府の啓蒙広告にもあったように、糖尿病が悪化しているのに本人が気付かず、朝起きたら失明していたという信じがたいような話も実際にあります。また自分が高血圧であることを知らずにレジャー中に倒れ、病院へ担ぎ込まれたという類の話も聞きます。
 ですから、日本人の中高年で持病や手術の経験があり、健康や医療への関心が高いことは決して悪いことではないと思います。病気に限っては「知らぬが仏」にはなりません。こういう方が医療保険に入る場合、加入前の既往症への扱いは各保険会社によってかなり開きがあるので(これに関しては下記のリンクもご参照下さい)、
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=63
1)既往症を理由に加入そのものを見送らない、
2)既往症への条件の良い保険会社を探す、
の2点に留意され、長く付き合える医療保険を見つけてみてください。その際には過去の病歴に関してできる限り正確に申告することをお忘れなく。記入漏れや申告に間違いがあった場合、保険金を請求しても保険会社が虚偽報告とみなせば保険金がおりない場合もありますので(どの保険条項にもこの件は記載されています)ご注意下さい。
 
 しばらく医療保険の話が続いたので、次回は生命保険の話をします。
 
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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