朝晩めっきり寒くなってきましたが、お元気でお過ごしでしょうか。お子さんがいる家庭ではもう1枚着させようと思っても嫌がったり、冬でも学校の制服が半袖だったりで、親がやきもきすることもあるかと思います。キーウィは冬でもTシャツに短パンだったりしますが、日本人はなかなかそうもいかないでしょう。寒暖の差にはぜひ気をつけたいものです。
前回は無料の公共医療に対する不安から、医療保険への加入を検討するケースがかなりあることを取り上げました。検討の直接的な引き金となっているのが、「病院危機」としてたびたび報じられている、1)手術までの数ヶ月から1年近くに及ぶ順番待ち、2)医者・看護士・検査技師などの医療従事者の不足、3)頻発している医療従事者のストライキといった公共医療制度の構造的な問題と、実際に自分や家族・友人が病院に行ったときの経験に基づく不安の二つです。
特に二つ目の理由で気になるのが、子供への対応です。オークランド在住者の場合、「子供に何かあったらスターシップへ行けばいい」と思っていらっしゃる親御さんがほとんどかと思います。スターシップは子供専門の公共病院です。しかし、実際にスターシップへ行かれたことがありますか? 通常の診療時間内であれば病状を確認し、病院側が緊急性を認めなければ(ここは往々にして親と病院の受け止め方が異なります)、GP(一般医)へ行くように指導されます。
熱が出ている子供をまた車に乗せて、GPまで行くのは親として忍びがたいことですが、これが現状です。特にかかりつけのGPがない場合、病気の子をどこに連れて行ったらいいのか途方にくれてしまうこともあるかと思います。ですから、万が一のためにキーウィ同様、一家でかかりつけのファミリードクターを見つけておくことは重要です。
GPの診療時間外だったり、嘔吐や痛みなど緊急性が認められた場合はスターシップで診療が受けられますが、それでも時間帯によっては3、4時間待ちも珍しくありません。一緒に連れて来るしかなかった他のきょうだいがぐずり出す光景もよくあり、親としては忍の一字です。
問題が大きく手術となった場合でも状況は大人と同様で、手術までの待ち時間があります。赤ちゃんのヘルニアのような小さな手術でも待たされることがあるのが実情で、この辺は実際にかかってみないとキーウィでさえ状況がわからないかと思います。ましてや医療制度の異なる国から来た移民には、驚きや不安も大きいことでしょう。スターシップに行って真っ先に聞かれる質問が、「医療保険に入っているか?」です。答えが「はい」なら、私立病院に行くことを強く勧められるという点が、何よりも現状を物語っていると思います。
子供の医療保険は生後直後から加入できます。ただし、ほとんどの保険はお子さん単独では加入できず、親と一緒が条件になります。夫婦や会社ですでに医療保険に入っている場合はそこに追加します。基本的に21歳までは保険料が破格で、且つ加齢による保険料アップがなく、一方で大人と同じ保障内容であることから、早めに加入されるといいと思います。加入年齢が低ければ低いほど、何の病気にもなっていない可能性が高く、その後も加入を続けている限り、ガンなど大きな病気からや糖尿病のような長期にわたる生活習慣病まで、一生涯保険の対象になります。
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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