ご無沙汰していました。まだ暑い頃、出張でワイカト地方を訪れたとき、いつも青々としている平原が見渡す限り茶色に変り果て、緑が見当たらないのに驚きました。待望の雨でさぞや今頃は青々としていることでしょう。お住まいの方、酪業や農業関連の影響を受けた方々にお見舞い申し上げます。
さて、だいぶ間延びして申し訳ありませんが、前回からの続きで一般的に関心が高い医療保険の話をしてみます。今回は無料の公共医療に対する不安から医療保険への加入を検討する場合を取り上げてみましょう。
たびたび報道されているパンク状態の無料公共医療に不安を感じて、何かあっても公共医療は頼れないと、医療保険加入を希望されるケースはかなりあります。先週も公立病院のジュニア・ドクターのストがあったばかりです。交渉が成立しなかったので、再びストがある可能性が高いでしょう。せっかく無料でも先生がいないのは不安です。
ニュージーランドには日本の健康保険に相当するものがないため、保険料の支払いも実際病院へ行ったときの3割の自己負担もありません。その代わり、公共医療の長い順番待ちの間に病状が悪化したり、手術まで何ヶ月も待たされたりで、待ちきれずに自腹を切って私立病院へ行ったり、日本へ帰国したりという場合、費用は全額自己負担です。
そこでキーウィの間でも医療保険に入ることは非常に一般化しています。職場の団体保険に入ったり、家族単位で個人加入したり、方法はいろいろですが、やはり皆さん、無料の代価の高さをわかっているようです。
保険料は主に年齢(保険会社によっては性別、喫煙の有無も)によって変ります。保険加入前に発症している病気、既往症に関しては扱いがさまざまで、
「一切保険の対象にしない」
「保険料を割り増しにして対象とする」
「数年間、再発がなければ保障の対象とする」
など、保険会社や病状によっていろいろな対応があります。
ですから、加入を希望していながら、
「もう糖尿病なので」
「前に手術をしたことがあるから」
と保険加入を見送る前に、ぜひ1度、保険会社やブローカーに相談してみて下さい。何か方法が見つかるかもしれません。年齢が高くなると、違う病気を発病することもあります。既往症との関連性がなければもちろん保険の対象となります。
次回はこの続きで、お子さんがいる家庭の医療保険を取り上げてみます。
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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