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第33回  安い保険には訳がある-医療保険編 

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前回からの続きです。今回は医療保険の簡単な比較をしてみましょう。比較を容易にするために、あえて同じ保険会社から出ている保険で比べてみます。具体例として、加入者が不幸にもガンになり、ガン治療の典型である化学療法を受けなくてはならなくなったとします。無料の公立病院をあてにしていると、「カンタベリーの専門医初診待ち時間」
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=31でもお話したよう
に数ヶ月待ちになる可能性が高く、一刻も早い治療のために私立病院にかかるとします。
 
 最も保障が高いA保険の場合、化学療法であれば年間6万ドルまで保障されます。この保険に加入し続けていれば毎年同じ保障が受けられるので、翌年も6万ドルまでカバーされます。一方、最も保障が低いB保険の場合、保障金額はゼロです。そうです、ガンになって化学療法を受けようにも保険で一銭もおりないのです。
 
「そんな保険があっていいのか?」
と言われそうですが、実際あるんです。この保険会社の場合、何種類もある他の保険でも化学療法での保障額はほとんどが千数百ドル、せいぜい10万円前後です。これではガンほどの大病となるとかなり心細い気がします。
 
「では、ガンになってからB保険をA保険に切り替えたら?同じ保険会社だから構わないのでは?」
と思われるかもしれませんが、これはもちろんできません。同じ保険会社であっても、他の保険会社であっても保険に加入する前に発症している病気はすべて既往症と見なされますので、保険の対象になりません。つまり、B保険に加入していてガンとなった場合、どの医療保険でも化学療法がカバーされないことになります。
 
 これがここでも何度か言っているように、
「病気になっていない健康な時こそ医療保険の入り時」
という一例です。A保険とB保険の年間保険料の差額は年齢にもよりますが、せいぜい数百ドルです。ガンほどでなくても中高年のちょっとした病気の場合、私立病院での入院・手術を伴う医療費は限りなく万単位になってしまうので、この差額の意義は大きいのではないでしょうか?ぜひとも、金額よりもご自分のニーズに一番合った保険を探してみてください。
 
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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