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第26回  ビジネス保険入門-ビジネス保険編 

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ニュージーランドで事業を始められる日本人は、意外に多いですね。「日本ではサラリーマンだったけれど、会社を興した」とか、「長年調理師で、ここで念願の店を出した」、という方に時々お会いします。長期滞在者のほとんどが永住者なので、みなさん将来を見据え、長年の夢をかなえていらっしゃるのでしょう。
 
 こうした方からよく、「ビジネス保険というものが、どうもよくわからない。盗難、火災以外に何がありますか?」と尋ねられます。これが事業経験のある方であれば、商品搬送中の事故、店内での賠償責任、顧客の送迎中の事故など、最初からご希望の補償内容が明確です。今回は入門編として、簡単にビジネス保険をご紹介しましょう。
 
保険対象になるものとしては、
「業務用冷蔵庫(寿司のネタケースも)が壊れ、営業に支障が出た」
「宅配サービスをしていて、配達途中で事故に遭った」
「知らない間にシンク周りから水漏れしていて、下の店に被害が出た」
「業務用のパソコンが盗難に遭った」
「運送業者に商品の搬送を依頼したら、保険に入るように言われた」
などがあります。
 
 つまり、失ったものを補填するだけでなく、事業に支障をきたすさまざまな原因に対し保険をかけることが可能です。こうした原因で失われたビジネスを補償することもできる― これがビジネス保険です。
 
 内容は業種や業態により千差万別ですので、個人保険のように出来合いの保険に加入するのではなく、業務に合わせたテーラーメード保険となります。「こんな内容でこれぐらの補償額がほしい」と保険会社に見積もりを依頼してみてください。
 
 テーラーメードと言うといかにも高そうですが、現実的な補償額を求めるのであれば、万が一の時の被害額は大きくても問題が起きる頻度が高くないものが多いため、「案外高くない」という印象をもたれる方が多いです。保険料はもちろん、経費になります。
 
 ご加入には、在庫の保管場所の確認、警報機の有無など、保険会社と細かく連絡を取り合うことも多いかと思いますが、事業にピッタリあった保険ができてしまえば、後は毎年更新していけばいいので、面倒な気がしても準備はムダにならないことでしょう。
 
 前回お話したように、商業施設での窃盗は警察にとり「任意捜査」の対象だそうです。つまり、捜査するかしないかは、現状では警察次第です。本音を言えば、「物損だけであれば、保険でカバーしろ」ということなのでしょう。この辺の考え方は非常に欧米的で、なにもNZに限った話ではありません。
 
 数ヶ月前に立て続けに盗難に入られ、3万ドル相当分の香水を盗まれた店主も、取材に対し「被害は保険でカバーする」と答えていました。警察が任意捜査と言い切ってしまっている以上、再犯が助長される可能性があるのは残念ですが、これがNZの現状です。
 
 まずは事故防止や防犯に努め、不幸にも被害に遭ってしまった時には保険で補償。ビジネス保険は事業をつつがなく続けていくための必要経費の一部です。
 

■お知らせ■
 このコラムでは、みなさまからの保険に関するご質問を受け付けております。感心の高い内容に随時お答えしていきますので、お気軽にこちら⇒ hoken@xtra.co.nz までご質問をお送りください。(お送りいただく場合は、タイトルを「NZ大好き:質問コーナー」として下さい)

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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