オークランドでは春というより夏という陽気です。「ガソリン代も下がってきたことだし(笑)、週末にはちょっと遠出でも。」という気分になっていた矢先、新聞を読んでドキッとさせられました。
先週の「ニュージーランド・ヘラルド」によれば、人員不足が深刻化しているニュージーランド警察は、通報を受けた犯罪の内容を4段階に分け、それによって対応を変えることを決定したそうです。
つまり、通報しても捜査するものとしないものがあり、記事のタイトルも、「警察は犯罪5件のうち1件を捜査せず」とかなりセンセーショナルです。どういうことになっているのか、見てみましょう。
まず、犯罪の内容を以下のように分けるそうです。
「強制捜査」(政府や国会の要請への対応、突然死)
「重要捜査」(家宅侵入強盗、殺人事件、重大な麻薬犯罪)
「優先捜査」(車両盗難、家庭内暴力、子ども虐待、窃盗)
「任意捜査」(商業施設への窃盗、車上荒し、商法上の詐欺、万引き)
これに含まれない犯罪・事件も多数ありますが(自動車事故、傷害、集団暴行、放火など)、とりあえず発表されたものに関して、警察は上記のように案件ごとに対応を変えるようです。「強制」「重要」の内容は当然としても、「優先」でも順番待ち、「任意」ともなれば捜査を行う保障すらしていないことになります。
現にオークランド市では5件に1件に相当する600件もの案件が手付かずの状態で、全国的にも同様だそうです。新聞が、通報しているにもかかわらず取り調べが行われていない案件の苦情を募ったところ、出てくるわ、出てくるわ、ビックリな話。
バンを盗まれた人が車に残していた自分の携帯電話の発信先を追って、被疑者の名前、電話番号まで割り出し、車も取り返したというのに、警察は5週間以上経っても未捜査。
香水店が8、9月と立て続けに盗難に入られ、3万ドル相当分の香水を盗まれたもののいまだに捜査なし。
クレジットカードを盗まれ、1万ドルを使いこまれた被害者が被疑者の名前、住所、店の防犯カメラから得た写真まで提出しておきながら、3週間以上経った今も未捜査。
他にも似たような話がたくさんあり、読んでいるだけでため息が出そうですが、これがニュージーランド暮らしの現実なのですね。かくなる上は、少しでも自衛して被害に遭わないよう、万が一遭ってしまっても実害を少しでも食い止められるよう気をつけたいものです。
これからの行楽シーズン、くれぐれも戸締り、車のロックをお忘れなく。
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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