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第21回  【質問コーナー】NZと日本、生命保険はどっちがお得? 

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ちょうど生命保険を取り上げようとしていた矢先、タイムリーなご質問をいただきました。よく同じようなことを尋ねられるので、みなさんのお役に立つかもしれません。
 
『質問2』:こんにちは。今、生命保険について調べています。日本の生命保険とはどういった点が違うのか、気をつけておくべきこと、生まれつき病気がある場合にはどうなるのかといった点を知りたいのですが・・・。(Yさん)
『回答』:まずはYさん、ご質問ありがとうございます。
(1)NZと日本の生命保険の違い
(2)生命保険加入に際して気をつけておくべきこと
(3)生まれつきの病気がある場合の加入
以上3点についてお答えさせていただきます。今回はその中で最も重要と思われる(2)を取り上げてみましょう。
 
 まず、みなさんご存知の通り、生命保険とは被保険者がお亡くなりになった場合、保険金受取人(たいがいは配偶者など残されたご家族)にまとまった金額の保険金がおりる保険です。「5千万円の生命保険に入っている」などとよく言われるのは、万が一の時にご家族が最大5千万円の死亡保険金を受け取れるという意味です。
 
 日本に住んでいれば、日本の生命保険に入り、日本円で保険料を支払い、何かあれば円で保険金を受け取ります。5千万円の保険に入っていたのであれば、予定通り5千万円を受け取り、その後の生活費に充てたり、ローンの残金を支払ったり、となることでしょう。しかし、海外で暮らしていると、少々話が違ってきます。
 
 日本の生命保険に加入している場合、支払う保険料、受け取る保険金ともに円になります。海外で暮らしていても日本で収入があり、受け取った保険金も日本で使うのであれば、何ら問題はありません。ただし、NZで収入を得、保険金もここで使うとなると、保険料、保険金双方に為替が発生してきます。
 
 保険料は比較的少額なので、毎回の為替と海外送金が面倒であれば、まとまった金額を入れた日本の銀行口座からの自動引き落としにするなど、対処は容易です。問題は保険金の方です。数千万円から場合によっては億単位の金額になりますので、ここから為替が発生するとなると影響は甚大です。今のような大変なニュージーランド・ドル高の時に円を送金してきた場合、こちらでの受取金額は予定より相当少なくなってしまいます。
 
 具体例を見てみましょう。つい5年前の2000年に、日本で3千万円の生命保険に入ったとします。当時は「円高NZドル安」でしたから、為替は1NZドル=43円ぐらいでした。万が一の時のNZドル換算での死亡保険金は、約70万ドルになります。「これだけあれば住宅ローンの残金を返済しても、当面の生活費には困らないだろう」と思って加入した保険。ところが、5年後の今年、不幸にも被保険者が亡くなり保険金を送金してみたら・・・。お察しがつくかもしれませんが、続きは次回に。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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