ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第19回  【質問コーナー】告知義務って? 

『知ってよかった!“ニュージーランドの保険豆知識”』の記事一覧へ

ご質問を募集したところ、さっそくメールが寄せられました。ご協力ありがとうございます。知っておいて損はないことを取り上げてみますので、保険の一般知識としてお役立て下さい。今回は「告知義務」についてです。ちょっと硬い言葉ですが、怠ると最悪の場合、保険金が下りないこともありますのでぜひご注意ください。
 
『質問1』:泥棒に入られたことがあるので、家財保険に入ろうかと思います。加入の時に泥棒に入られたことを保険会社に言った方がいいのでしょうか?その場合、何か不利になったりしますか?
 
『回答』:まずはご愁傷様でした。盗難の多いNZでは家財保険(パソコン、家電、カメラ、貴金属、時計など大切な所有物の盗難や火災での被害を補償)へのご加入は、ぜひお勧めです。犯人が捕まっていない場合、家の構造やどれぐらい金目の物を持っているかを知っている犯人が戻ってくる可能性があるため、くれぐれもご注意下さい。
 
 ご質問の件ですが、盗難に遭った事実は保険会社にできるだけ正確に伝えてください。どの保険会社の申請書にも記入欄があるはずですので、被害に遭った日、被害総額、保険を掛けていたらその時の請求額や実際に下りた保険金額などをご記入ください。
 
 これはご契約者の「告知義務」と言われているものです。「面倒くさい」「こちらに落ち度があると誤解されたくない」などの理由で記入せずに加入し、後で実際に被害に遭って保険金請求をしても、保険会社が「告知義務違反」を理由に保険金の支払いを拒否することがあります。なぜか盗難に遭っていたことが、保険会社にバレているのです。
 
 なぜバレてしまうかというと、ニュージーランドの場合、保険を引き受けるアンダーライター(どういう立場かは前回の『ハリケーン「カトリーナ」とNZの保険』ご参照)の数が限られているため、保険会社を変えてもアンダーライターが一緒であれば、顧客情報が一元管理されている可能性があります。
 
 アンダーライターが「この契約者は以前、別の保険会社から保険金請求をしている事実を告知しなかった」と支払いを拒否すれば、保険会社からも保険金が下りなくなってしまいます。これではせっかくの保険加入が無駄になってしまうので、求められている情報はできる限り正確にお伝えください。
 
 自動車保険も同様で、保険金請求の頻度が高い分、アンダーライターも目を光らせているでしょうから、事故の大小にかかわらず告知しましょう。医療保険にご加入の際も、治療を受けているような既往症(保険加入時以前に発症していた病気)や慢性的な持病がある場合は必ずご記入下さい。
 
 引き続きご質問を受け付けておりますので、お気軽にこちら⇒hoken@xtra.co.nzまでお送りください。(お送りいただく場合は、タイトルを「NZ大好き:質問コーナー」として下さい)

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

Accelerate Consulting
PO Box 87411, Meadowbank, Auckland 1742, New Zealand
Tel : 09 578 0792
Mobile : 021 968 968
E-mail : takahashi@accelerateme.co.nz
A disclosure statement is available on request and free of charge.