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第4回  明快!たったの3種類-自動車保険編 

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前回、「ニュージーランドの自動車保険は、どこの保険会社も3種類しかなく明快です」とお話しましたが、せっかくなので今回は、商品構成をご説明しましょう。よくお客様から、「えっ? これしかないんですか?」と聞かれますが、これしかないんです(笑)。
 
 まず、日本では真っ先にくる対人賠償保険というものがありません。なぜないかというと、国が保障してくれるからです。この話は長くなるので別の機会に譲るとして、今回は実際に入れる保険の話をしましょう。
 
 最も代表的な割安なものとして、「対物賠償保険」があります。英語名では「サード・パーティー保険」です。これは事故を起こしてしまったときに相手の車やぶつけた物の修理・原状回復を補償するもので、修理代などが保険でカバーされます。
 
 ちょっとした接触事故でも、相手が新車だったり部品の国内調達が難しい日本車以外の車だったりすれば、修理費はばかになりません。手痛い金額でも財布から払えるならまだましですが、思いがけない出費となることもよくあります。ほかにも、「店の看板にぶつけてしまった」など、請求がいくらになるのか読めない場合もあります。
 
 サード・パーティー保険の1カ月の保険料は、コーヒー数杯分のものからありますので、「安心を買う」という意味では非常に割安です。ただし、補償対象は相手だけなので、自分の車の修理費は持ち出しとなります。そのため、車両価値があまり高くない中古車に向いています。
 
 二つ目は、この保険に「盗難・火災特約」を付けたタイプです。「盗難はまだしも、火災?」と思われるでしょうが、NZではこの二つはセットになっています。盗難はかなり現実的な問題で、数センチ開いた窓から特殊な金属を入れてカギを開け、電気系統をいじって盗む手口は頻繁にあります。万が一盗難に遭ってしまっても、保険があれば事前に定めておいた金額まで保険金がおりますので、車を買い換えることができます。
 
 三つ目が「総合保険」と呼ばれるもので、相手の車、自分の車、盗難などを総合的にカバーします。どんな接触事故でも自分の車が無傷というケースはまれでしょうから、保険料が少々上がっても、総合保険に入っていれば安心です。一度でも保険金請求する事態になれば、ほとんどのケースで上乗せした保険料以上の補償が得られることでしょう。この保険は車の価値で保険料が変わりますので、見積もりをとって補償内容と保険料を比べてみるのも一案です。
 
 いずれの場合も、保険金請求には「免責」と呼ばれる自己負担金が若干かかります。これは運転者の年齢、免許の種類(国際免許かNZ免許かなど)によっても変わってきますので、必ず金額をご確認されるようお勧めします。
 
 次回は「自動車保険選びのコツ」をお送りします。
 
(つづく)

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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