カラキアは、マオリの習慣で会合やイベントの前に詠唱される。
昨年、カイパラ・マオリ地区のカウンセラー、ペラ・パニオラ氏は、新たに選ばれたカウンセルの最初の会議にの開始時にカラキアを唱えようとしたが、クレイグ・ジェプソン市長によって遮られた。
出席者全員を平等に尊ぶことにはならないという理由で、市長はカラキアを禁止した。ただしその後、反対を受けてこの決定は見直され、妥協案が採用された。
会議の前には、カラキアだけでなく、内省、黙想など類似する行為が許されることとなった。これにより、2月の会議では、ジョプソン市長が米国の経済学者トーマス・ソウェルの「優遇措置に慣れてしまうと、平等な扱いも差別と感じる」という言葉を朗読した。
ここに至り、イウイのペレ・フリワイ-セゲール氏は立ち上がりカラキアを唱え始めたが、市長はそれを止めるよう指示した。
オタゴでは、地域カウンセラーのケビン・マルコム氏が、カラキアが始まると会議から退出してしまった。
90年代半ばからジャーナリストとして活躍しているミヒンガランギ・フォーブス氏は、彼女のキャリアにおいてカラキアは非常に重要と話す。
「今では食事の時にキリストに感謝を捧げる祈りを聞くことはありませんが、私たちは全てに対してカラキアを唱えます。マオリの中では、周りの空気を清らかにし、新しい考え、優しい思い、愛といったものを受け入れる、あるいは誰かに送る、といったようなことなのです」
ティカンガの教育者ブラッキー・トヒアリキ氏は、「ワイタンギ条約の第4条では、マオリ、非マオリ、全ての個人の思想、宗教、信条の自由と尊重が約束されています。いかなる組織もこの方針に従うべきではないですか」と語る。