ニュージーランドでも人気の観光地で、世界中から多くの人々が訪れるワナカ。その美しい景観の裏で、そこに住む人々は生活費の捻出に苦心惨憺している。
昨年冬ワナカに越してきた夫婦共働きのある若い家族。新生活を開始した興奮がさめると、過酷な経済状況に直面した。夫の会社からの住宅手当が打ち切られ、また新たに息子も生まれて家族が増えたころから、彼らの生活はひっ迫しはじめた。週の出費が収入を上回り、クレジットカードの支払いをするために働くような生活が続いた。夫は時には週40時間を超えて働いたが、それが家計の足しになるとは思えなかった。
家族5人は、ダブル・ガレージを改造した2ベッドルームハウスに住んでいたが、家賃のNZ$450ドルを支払った後は、生活に必要な物品を買うお金にすら不足した。最終的にこの家族は、コミュニティー・ネットワーク・ワナカから、食料の配給を受けはじめたが、生活苦は継続し、借金のNZ$5,000ドルを支払うためにも、夫の両親の元へ引っ越した。
今のワナカの平均家賃は、週NZ$550ドル。ウェリントンやクライストチャーチなどの主要都市の郊外よりも高い。観光都市だけあって、ツーリズモに携わる人々が多いが、彼らの給料は高くはない。一部屋に6ベッドあるうちのベッド1台に、週NZ$170ドルも払いながら働く人もいるという。